イチビ
アオイ科 イチビ属
 別名 キリアサ、ゴサイバ
学名 Abutilon theophrasti Medik.
 異名 A. avicennae Gaertn. 、Sida abutilon L. 、英名 Better print、 Velvet leaf、 Indian mallow、

畑や荒れ地、川原に生える一年草。表皮は繊維質で容易に切れることが無いらしい。高さは50〜100センチ
になり茎には軟毛や腺毛があり上部で分枝する。葉は心臓形で長い柄があり互生する。桐の葉に似ているとこ
ろから別名のキリアサと呼ばれているそうだ。若い葉の裏にはビロード状の毛が密生して白く見える。花期は8
〜10月頃に黄色で2センチほどの花が咲く。基部は合着している。雄蕊は多数あり花糸の基部は合着して袋
になっているそうだ。分果は袋状で普通は16個の分果から成り、歯車の様に並んでいる。それぞれの分果の
先には角状に突起が2個づつある。種子の確認には至っていないが、3ミリ前後の黒色で細かい白の毛屑がつ
いているそうである。


出典・参考文献
●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館
●『日本の帰化植物』 清水建美 平凡社
●『日本の野生植物 草本 U 離弁花』 平凡社
●『山渓ハンディ図鑑 1 野に咲く花』 山と渓谷社
●『園芸植物大事典 1』 小学館




☆花の詩メモ☆


03・10・16。
町内の公園脇にある農道の畦に、10〜15センチほどの大きな丸い葉をつけた本種が沢山生えていた。高さは
70センチ程だった。まだ蕾の状態で花は咲いていなかった。蕾の様子からアオイ科と判った。

03・10・19。
葉を掻き分けてみると、2センチほどの小さな花が1〜2個咲き始めていた。初めてイチビというものを見た。1・5
メートルにも生長するそうである。全体に白い軟毛に覆われている。

03・11・19。
黄色で2センチほどの花が咲き、果実の形もアオイ科の果実とは一寸趣が違う様に思えるごろんとした形になって
いた。此の時は種を採取して観察をしなかったが、半切形で扁球型だそうである。

03・12・3。
12月だと言うのに青々とした葉は健在だった。別名のキリアサって何だろう?と思っていたが、桐麻と書くようであ
る。長い葉柄の葉は桐の葉に似ている。茎の表皮は丈夫で繊維の原料にされたところから、この名前が付いたの
かと納得した次第である。午前中通りがかった際撮影したが、午後になって種子の撮影をした方がよいと思い出掛
けて見ると、すっかり刈り取られて跡形も無くなっていた。残念。





*画像転載禁止*



イチビ=撮影03・10・19






(2段)大きな葉の植物が生えていた。葉を少し掻き分けてみると
まだ咲いていない小さな黄色の花弁が覗いていた。
公園の土手で、雑草などを焼却した焼き跡の上に生えていた。

イチビ=撮影03・10・16

(3段)アオイ科の植物とすぐ分かる花の形。この状態で1センチ程度だった。
葉の裏は毛で白く見える。茎にも腺毛が密生。

イチビ=撮影03・10・16

(4段)3日後、開花している花の大きさは2センチほど。鮮やかな橙黄色。
沢山の雄蘂の基部は合着して袋状になっているそうだが画像はない。

イチビ=撮影03・10・19

(5段)萼片は5個。腺毛に覆われている。蕾の萼は真白にみえる。
若い葉裏は毛が密生し、ビロード状にみえる。

イチビ=撮影03・10・16

(6段)果実。歯車の様な突起状の果実。白い開出毛に覆われている。
果実は袋果で通常は16個並んでいるそうだが、13個は確認できる。
袋果の先端は、2個の突起(芒)がある。株の小さなものは萼片。
イチビ=撮影03・11・22

(7段)この果実は13個の分果が確認できる。
どの部分が裂開するのかはわからないが、2裂するそうだ。
チビ=撮影03・11・22





(8段)図鑑には花期は8月〜12月とあるが、12月でもまだ咲いていた。
長い葉柄のある葉は互生し、葉腋に花がついている。
茎は毛が密生し、白くぼやけて見える。

チビ=撮影03・12・3

(9段)長い葉柄と丸い大きな葉は桐に似ているそうだ。基部は心円形で葉縁には鋸歯があり、
10〜15センチの葉の先端は急に細くなって尖っている。
この画像のものからはちょっとわかり難い・・・・・。
チビ=撮影03・10・16
種別(い) 科別(あ) FLORA  HOME
Last up date 06・10・28 町内



Copyright (c) 2004-2006 hananouta All Rights Reserved