エビスグサ
マメ科 センナ属
 
 学名 Senna obutusifolia (L.) Irwin et Barneby
 異名 Cassia obtusifolia L.   英名 Sicklepod、 American sicklepod、

オブツシフォリアの和名はエビスグサ[Cassia obtusifolia L.] カッシア属。『園芸植物大事典 1 小学館』
はカッシア属で掲載されている。一般に使用されている学名[
C. tora ] は、コエビスグサに与えられた学名とあ
る。『日本の帰化植物 平凡社』によると、センナ属とある。港や市街地の空き地などに生える一年草で悪臭があ
るとあるが、私の私見では匂いはあるが悪臭とまでは感じない。
エビスグサは熱帯アメリカ原産の帰化植物で一年草。悪臭がなく、葉軸には腺が1個有るのが特徴。豆果は細
い円柱形で長さは10〜18センチもある結構長い。中には整然と並んだ20〜50個の種子がある。はぶ茶は種
子を煎って使用する。
茎は高さ50〜100センチ、細かい軟毛があるが後に無毛となるそうだ。葉は偶数複葉、葉柄があり基部に最も
近い小葉の間の葉軸上に、細長い三角錐状の1個の蜜腺がある。小葉は普通は3対ある。倒卵形〜倒卵状長
楕円形と図鑑にはあるが丸みのある意外に大きい小葉である。長さは2〜6センチ、幅1〜3センチ前後。裏面
には軟毛がある。花期は8〜9月。葉腋に2センチ前後の黄色い花が1〜2個付く。雄蕊は7本。原産地につい
ては熱帯アメリカとされているが、世界の熱帯から暖帯に広く広がっている。日本には中国から薬用として渡来
した。種子はハブ茶の原料にされている。
●コエビスグサ(ホソミエビスグサ)[
S. tora (L.)]=エビスグサと混同されるが、強い悪臭がある。腺が2個。
●オオバセンナ[
S. sophera]=蜜腺は1個で円柱形〜棍棒状。小葉は4〜8対。果実はほぼ円柱形。
●クサセンナ[S. occidentalis (L.) Link]=蜜腺は1個。ほぼ球形〜卵形。小葉は4〜5対。果実は扁平。
などがあるようだ


出典・参考文献
●『園芸植物大事典 1 』 小学館
●『日本の帰化植物』 清水建美 平凡社
●『牧野 日本植物図鑑 改訂版』 牧野富太郎 北隆館
●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館




☆花の詩メモ☆


この近辺では畑の隅や空き地の縁などに1〜2株生えているのをよく見かける。我が家の前の土手にも生えて
いたが、一斉清掃の草刈で果実まで見られなかった。花は長い花柄の先にうな垂れて咲く。花冠 を広げて見る
と3センチ程度あるが小さく見える。黄色の花は下向きで、全開しているのは見た事が無い。実った莢は太さ7
〜8ミリ、長は15センチほどもある。莢を振るとカサカサと乾いた音がする。茎や葉は結構臭い気がするが・・。

=エビスグサの種子が効いたのか=

娘を妊娠した当初、つわりの代わりに朝9時になると決まって胃炎が起こるのだ、一週間続いた。其の度に、直
ぐ近くの開業医の所に毎日飛び込んだものだ。それをきっかけに胃腸が弱くなってしまい、慢性胃炎状態が続い
ていた。天婦羅やフライを食べる事が出来なかった。匂いを嗅いでも直ぐ胃がグシグシしてしまう有様。その後数
年が経った或る日。ご近所さんが、この種子を丸のまま2〜3粒飲むと良いと言って下さったのが、このエビスグ
サの種子だった。茶褐色で3〜5ミリ位の大きさ。艶々した種子だった。暫く常飲していた。これが効いたのか如
何か自覚していなかったが、いつの間にか止めてしまった。てんぷらやとんかつの匂いを嗅ぐと胃炎が起きてい
た。つい最近までフライやてんぷら、カツなど食卓に上る事は無かったのだが、我が家の王子様が06年から中
学生になり、お弁当が必要になる。えいっ!お弁当の為だ!試しにフライをしよう!と決心。何とか、胃炎も起こ
らず、フライやとんかつも食べられるようになり、子供たちの大好きなとんかつも、食卓に並ぶ回数の増えた昨今
である。



*画像転載禁止*



エビスグサ=撮影03・8・26
*03・8月、近所の工場入口に生えていたもの。湾曲した細い果実が沢山出来ている。







(2段)04・9・1。
町内はずれの山際にある側溝の縁に生えていた小さな草体。
細長い果実は、1〜2個出来ている程度だった。
この画像でエビスグサとすぐに同定できる特徴が写っている。
エビスグサ=撮影04・9・1

(3段)葉の部分を拡大してみた。
偶数状複葉。葉柄基部に近い小葉の基部に突出した腺がみえている。
葉表は緑色、裏面は軟毛があり白っぽい緑色。全体に無毛ではない。
エビスグサ=撮影04・9・1









(4段)06・10・30、
すぐ近所の畑の土手に生えていた。地主さんから一枝頂いて帰宅。
頭花は半開き。広げて見ると3センチあった。花柱は既に果実の形を
していて面白い。雄蘂は7個らしい。長さは全て同じ、ベージュ色の葯嚢。

エビスグサ=撮影06・10・30

(5段)葉は偶数羽状で6枚の小葉からなる。葉軸には溝がある。
お天気の悪い日に見ると、小葉は睡眠しているように垂れている。
エビスグサ=撮影06・10・30

(6段)葉柄基部にはTセンチほどの細い托葉がある。
ピントのあっていない部分の拡大で見難い・・・。

エビスグサ=撮影06・10・30

(7段)葉軸の基部に近い小葉の間に茶色で2〜3ミリの突起がある。
これが蜜腺らしい。蟻がいるのが不思議だったが納得である。

エビスグサ=撮影06・10・30




(8段上)熟した豆果の莢は15センチほどもあり緩やかに曲がっている。
若い豆果は大きく湾曲しているが種子が生長するにつけ湾曲がゆるくなるようだ。
鞘が揺れるとカサカサと音がする。
(8段下)鞘を破って見ると中には、歪な形をした種子が整然と並んでいる。

エビスグサ=撮影06・10・30

(9段)菱形を潰したような歪な形をした艶々した種子。5ミリ前後ある。
左上は側面の様子で下部が莢についていた部分。見る角度で形が異なっている。

エビスグサ=撮影06・10・30
種別(え)  科別(ま) FLORA  HOME Last update 06・10・30 広島県




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