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アオイスミレは、花期は3〜4月下旬、他のスミレに先駆けて咲き花期が非常に早い。分布は標高100〜800メー トル辺りに多く、人家の近くや林内の半日陰地や路傍の陽地等にはえ、全体に粗い毛の多いスミレのようである。 茎や根は地下茎が上部ほど節が密で、地下茎は太く短い。多数の地表をはう匍匐茎が出る。匍匐茎は節が疎らで 長いものは10センチ以上になり、ところどころから発根する。発根した先端に新株をつくる。葉は花時には短い地上 茎から根生状の葉を出すが、前年の越冬葉がおおいそうである。花後の葉は長さ幅ともに8センチにも、葉柄は20 センチになるものもあるそうだ。花後の果期の葉は著しく大きくなるので見紛うのは確かである。葉の両面に白毛が あり、裏面は特に多い。葉縁には低い鋸歯がある。アオイスミレは多年草で地上茎があり、根茎は短く茎は横走し、 殆ど芳香は無い。葉は円形で多毛。若い葉は開く前には両側が巻いている。葉の展開とともに開花する。托葉は披 針形で細長い鋸歯がある。 花は根生状に出すが匍匐茎から腋生するものもある。側弁に僅かに毛がある。花唇弁に紫条があり、距は短く3〜 4・5ミリ、子房はほとんど無毛であるが、閉鎖花の子房は短毛が多くなる。花柱上部は棒状で先は細く、柱頭部が 下向きのかぎ形になる。萼片は狭長楕円形で毛があり鈍頭。果柄は湾曲して下向きになる。刮ハは柄が短く、株の 根元の地表近くに付く。刮ハは暗紫色の斑点があり球形で白く粗い毛が密生している。やや肉質で裂開すると平に なり普通のスミレ属の様に舟形にはならない。果実の萼には毛が多く付属体はやや半円形か三角状。中には白っ ぽい淡い紫紅色のものもある。刮ハが地表近くにつき球形で白毛を密生するのが特徴である。種枕が非常に大き い、種子も大きく2〜2・5ミリ。完熟すると果皮がよじれて割れ、付近にこぼれおちる。他のスミレの様に遠くに飛散 しない。初夏から夏にかけては、多くの閉鎖花を作って果実をつける。 出典・参考文献 ●『原色日本のスミレ』 浜栄助 誠文堂新光社 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『日本の野生植物 草本U 離弁花』 平凡社 ●『園芸植物大事典3 3 』 小学館 ●『原色日本植物図鑑 草本片U 離弁花類』 保育社 ●『山渓ハンディ図鑑 6 日本のスミレ』 いがりまさし 山と渓谷社 ☆花の詩 メモ☆ アオイスミレは多年草であるが、さほど大きな株にはなっていない。花は思ったより小さいと感じるし他のスミレの様に 沢山花が咲いていない。果実は株元につき、ちょっと掻き分けて探ると見える。柱頭を撮影してもどうしても先端が 写せないと思っていたが、柱頭が鍵形に下に曲がっているので納得である。花期の終わった株は、ランナーを伸ば して株を増やして行くのも大きな特徴らしい。茎は地面を横走する。花期の終わった葉は、7センチ前後と見違える 程大きくなる。また、新しく芽生えた葉をみると、短毛が密生し両側が内巻きに巻いている。これらの特徴は、ニオイ スミレも良く似ている。葉はフタバアオイに似るところから、名付けられたそうである。フタバアオイも追って掲載していく。 NET情報では別名 ヒナブキとある。 |
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(2段)花は1・5センチ程度と小さいと感じる。 柱頭が下向きに曲がっているのは最大の特徴。 左右の画像ともに側弁に毛の無いタイプの様である。 毛の有るタイプもあるそうだ。 (3段)距は太い。先端が尖って見えるのは撮影の角度による・・・・。 萼片は5個、先端は尖らず丸みがあり有毛。 萼片の基部にある付属体は全縁の様である。 (4段)果実は刮ハ。株元から果柄の先に1個ついている。 果柄、刮ハ、萼片などの毛は良く目立つ。 (5段)若い葉の両側は、内側に巻いているのも特徴。若い葉や葉柄は特に毛が密生している。 托葉は鋸歯は無く、縁には毛がある。飛騨r知下に閉鎖花がみえる。 (6段)匍匐枝を伸ばしその先に新しい株が出来る。 (7段)匍匐枝を引っ張ると、長く細い根が沢山出来ている。 (8段)花期の終わった8月末ごろの葉。 驚くほど大きくなっている。大きいものは7センチ前後もある。 (9段)葉表。葉縁には丸茂の有る鋸歯がある。 葉は円形に近い。この画像からは判りにくいが短毛がある。 カキドオシの葉にも良く似ている・・・・・。 (10段)花期の終わった大きな葉裏。葉脈植えには毛がある。 葉柄にも毛が見える。 |
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種別(あ) 科別(す) FLORA HOME | Last up date 07・3・15 | 広島県 |
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