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園芸名・滝の白糸は 樋状の葉が多数放射状に付く。葉はロゼット状につける。葉縁には解れた糸状の繊維がカールしている。花序は赤褐色 の穂状花序。葉は剣状で緑色をしている、葉の表面に白い斑線があり葉縁に糸状のささくれがある。葉先の刺は15〜20ミリで色は褐色。露 地に植えると、直線的な葉が乱れ、株も大型化してしまうそうである。かつては、乱れ雪[A. filifera Saim-Dyck]の変種とされていた。穂状花 序の花は緑色帯び後に栗色になるらしい。また、ゲミニ乱れ雪[A. geminiflora (Tagl.) Ker-Gawl.]と混同されていたそうだが、葉は細長く質が 柔らかいそうである。葉の縁の飾り糸(ささくれた繊維の事)の付くものでささめ雪[A. parviflora Torr.]があるが、穂状花序が黄色〜緑黄色。 出典・参考図書 ●『園芸植物大事典 1 』 小学館 ●『原色図譜 園芸植物 温室編』 浅山英一著 平凡社 ●『サボテン・多肉植物ポケット事典』 平尾博・児玉永吉 共著 NHK出版 ☆花の詩 メモ☆ 04・5・10 カメラ行脚も終えて帰路に就いていた。少し近道をするつもりで細い農道に入った。アパートが数件並んでいた。其のアパートと水路の間50セ ンチの隙間に、ミダレユキに良く似たアガベが植え込んである。それにはなんとも奇妙な3メートルほどに伸びた線形の幹は、まるで蛇の様に 見えた。敷地の中に入れて頂いて近寄ると、小さな花穂が直径5センチほどの幹に、丁度鱗の様にびっしり付いていた。茎の下部は直径10セ ンチ程。そのスタイルで空に向かって伸びている幹は、可也不気味な感じだった。基部部分の株は、葉の端から端まで60〜70センチほどの大 きさ。ところが中心の芯の部分は直径30センチ程もあり丸く太っている。それから日参が始まった。幹は直径5センチ程だったが、苞の先には 長い10センチ以上の硬い芒があり、その苞はぷっくりと膨らみ中に2個の蕾が入っている。 04・5・14。 やっと、幹にへばりついていた蕾に変化が現れ始めた。だんだんと起き上がって来たのだ。茎と思っていたのは花序の軸と言う事になるのだろ うか?更に伸びつつある。幹も7〜8センチになっている。 04・5・29 それから2週間後の04・5・29・に見事に開花し始めた。近所の人曰く、≪最低でも10年に一度しか見れないとなると、見納めかも・・・・。≫私 自身も見る事が出来た事は、相当ラッキー!!写真行脚のお蔭です。夏になって久しぶりに側を通ったが跡形も無い。花後に枯れたのだろうか。 ≪ミダレユキ(乱れ雪)=アガベ・フィリフェラ≫で同定していたが、花の咲いている参考図鑑は無く、私自身高価な図鑑は持ち合わせていない。 NET検索をしてもこれと思える画像はHITしない・・・・。終にお蔵に入る事になった・・・・。一体これは何だろう?? 06・12・23 ミダレユキとして掲載していたが、確証が持てないままその後色々調べて見た。 04年に散々NET検索をしても見つけられなかったが、外国サイ トで終に同じ色の花序をしたアガベ・フィリフェラ[ A. filifera ]として掲載されているのを見つけた。花は10〜30年に一度咲き、後は枯れ死する とあった。アガベ・フィリフェラの仲間には、多数の変種などある様である。外国サイトに1件、国内サイトに3件ほど花の様子が掲載されていたが、 ミダレユキの長い軸葉似ているが、花序の様子は良く似てはいるが花色は全く異なり、寧ろ遠目には緑色に見える様である。 08・6・8 掲載している品種は、葉幅は細いとは思えないし葉身も20センチ以上ある。オウヒササノユキ(王妃笹の雪)の葉の葉縁に繊維が付いているとい った方が良く判る。シライトノオウヒ(白糸の王妃)[A. filifera f.] とはとても良く似ているが確証がもてない。迷いだすときりなく迷う。タキノシライト (滝の白糸)[A. filifera ssp. schidigera ]にも葉の様子は良く似ているが葉幅が違う様にも思えてくる。きりなく迷路にはまる・・・・。葉が細く、花 もミダレユキに良く似ており、葉縁には繊維状のヒゲがある[A. filifera var.filamentosa ]や更に細い葉で、葉縁が黒い品種の[A. filifera var. filamentosa f.ortgiesiana ]があるらしいが、和名については不明で有る、シノニムなども考えられるので、難しい。いずれにせよ絵面合わせの 葉だけでは余りに良く似ており、花が無いと同定困難である。アガベ・フィリフェラ=乱れ雪 と同定したが、 図鑑の図解を見ると、乱れ雪と絵面も 良く似ていてあきらめきれない。 NET検索で見る画像の乱れ雪は細い葉で、この図鑑の解説では滝の白糸に酷似している。また、NET情報で乱れ雪について特徴が記されている のをみると、葉は多数有り、葉身は20〜25センチ程度で葉幅は3センチ程。葉には白線が2〜3本有り、葉縁の糸状繊維は5〜6本あるとしてい る。ここで掲載している画像と、特徴のすべてにおいて合致するが、花についての記載や画像は全く無い。なかなか花が咲いているのには遭遇で きない事も確かである。現物の葉は、図鑑の解説通り剣状で見るからに硬そうである。葉の先端には2センチ程の茶色い棘があり触ると痛い。花 序はNET検索で見るミダレユキに似ているが、花の色は紅褐色である。葉の表裏には白い斑線の模様がある。なんと言っても目立つのは、葉縁 の布を裂いた様なイトランに似た細い糸状の繊維が沢山出ている事。 他の図鑑などでも、フィリフェラは園芸名を乱れ雪といい、メキシコ原産で径50センチになる大型種とはあり、葉の縁に白い繊維をつけるとあるが、 掲載されている画像の白い繊維の様子は細くあまり丸まらないで長く見える。繊維の様子は寧ろペルー原産のゲミニフロラ 園芸名ゲミニ乱れ雪 に似ているが,質が柔らかいとある。私の見たものは質は堅いと思った。 09・10・2 『園芸植物大事典 1 小学館』によると、乱れ雪の花は赤褐色の穂状花序とある。このサイトの画像は開花した時点から赤褐色であった。図鑑 を持ち合わせていなかった時点では迷いに迷ったが、このサイトを見直すにあたり、糸状の解れのある品種で花序の色の一致する品種は他にな く、最終的に同定し直した。 |
*画像転載禁止*
(2段左)3メートル以上の蛇の様に見える花軸を伸ばしている。 (2段中)下部1メートルほどは花芽は無く。途中から上に向かって赤褐色の花が開花して行く。 (2段右)花筒の先端は6裂しているのか内花被、外花被があるのか未確認だった・・・。大失敗! 花の印象は、ゆりの花の形状に似ている。雌蕊は1個、エンジ色の長い花糸の雄蘂は6個。 長い花糸も弾ける前の葯嚢もエンジ色。弾けた葯は鮮黄色で綺麗である。 (3段左)長く硬い芒を持った苞の内側に、2個蕾が見えている。 (3段右)蕾が立ち上がってきた。そろそろ開花である。 (4段)葉は硬い剣状。先端には茶色の尖った棘がある。右に見えるのは吹いてきた若い株。 ささくれた糸状のカールが、滝の白糸にしてはあまり巻いていない気がするが、花色で同定した。 (5段)中心の株元は直径30センチにもなっていた。葉の外側に白く見えるのは、 線状の斑模様。葉幅は3センチ程度、基部は広く6〜7センチあり 可也の厚みが有る。 (6段)葉の内側にも白い線状斑模様がある。葉縁には白い繊維が沢山ある。 葉縁には削った様な、繊維を裂いた様な、そんな細い繊維が有る。 |
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種名(た) 科名(り) FLORA HOME | Last up date 09・10・2 | 広島県 |
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