オダマキ
キンポウゲ科 オダマキ属
別名 イトクリ、 イトクリソウ 
 学名 Aquilegia flabellata  Sieb. et Zucc ‘Alba’
 異名A. akitensis Huth 、 A. fauriei lev. et Vaniot 、A. japonica Nakai et Hara

オダマキは殆ど無毛。ミヤマオダマキより丈は高く30〜50センチ、花茎も丈夫でミヤマオダマキより花も大きく、距を含み2
センチ程度、花数も多いそうだ。葉は厚くて粉白色を帯び、葉は2回か3回複葉、 花期は5月頃、紫花のほか白花もあるそう
だ。子房や袋果は無毛。花弁は5枚で長い中空の距があり、萼の間からつき出る。萼も5枚で花弁状である。和名のオダマキ
(苧環)は、苧手巻という糸車のことで花の形が似ている点から命名されたそうである。
オダマキは、ミヤマオダマキ[var. pu-
 mila
] が改良されたものと考えられているそうだ。

属名は『鷲』という意味らしい。距の形が鷲の嘴を連想させることによるようだ。種名のflabellata は扇状という意味で、葉の
裂片の形から付けられたものらしい。此の属はすべて宿根草だそうである。日本で古くから栽培が続けてこられた種類との事
だ。オダマキ属は北半球温帯に50種があり、日本にも数種がある。20センチ程度から園芸種では高性品種もあるそうだ。
丈夫な根茎と太くて長い根があり、根出葉は束生する。葉は1〜3回3出複葉で長い柄がある。茎葉は上部では柄が無く1回
3出複葉になるそうだ。普通花は放射相称で下向きに咲く。耐寒性は強いようである。雄蕊は数十本と多く最も内側のものは
退化して、膜状の仮雄蕊になり雌蕊群を取り囲んでいる。雌蕊は無柄の心皮5個からなり、普通は離生しているそうである。
袋果は花とは対照的に直立する。雄性先熟らしい。
 
園芸的には原種の花型から3つのグループに分けられるそうだ。
  1)距が曲がっている=セイヨウオダマキなど
  2)距が真っ直ぐ=カナダオダマキ、クリサンタなど
  3)距が殆ど無い=ヤマオダマキなど
園芸的に栽培されているものは、美しい雑種もある。異なった種を混ぜて植えると、容易に交雑し雑種が出来る。
交配種は花
色も豊富である。



出典・参考文献
●『原色園芸植物図鑑 改訂版 U 宿根草編T』 塚本洋太郎著 保育社 
●『園芸植物大事典 1 』 小学館
●『日本の野生植物 U 草本 離弁花類』 平凡社
●『原色日本植物図鑑 中 草本編U 離弁花類』 北村四郎、村田源 共著 保育社





☆花の詩メモ☆


白色のオダマキを、ミヤマオダマキとして掲載していた。高さは精々30センチほどにしかならない。極矮性種かもしれない。
03・4月、写真行脚中にお知り合いになった方から株分けして頂いた。園芸種ではないと考えミヤマオダマキと安易に同定した
経緯がある。
『広島県植物誌』によると、ミヤマオダマキの分布の報告は無いが、 広島県北部には、中国地方に分布の無いと
云われるような種でも、中国山地では標高の高い地域の気象に似ている。時を経て図鑑を照合してみて、オダマキと考える方
が無難と考え削除することにした。
頂いた白い花の草本は、細い一本の苗に一輪花をつけた。草丈も低く20センチ程に生長し花を葉より低い位置につけたが、
其の種から04年は数え切れない程彼方此方から芽を出し、友人や知人にも株分けをした。大きくなってからの株分けは、難し
いとの事で小さい苗を分けた。知人宅もきっと05年は、相当数の株が育つのでは。今年も沢山種子が出来ているので、05年
が愉しみ!!
 05年、知人宅も我が家も、沢山の新株が育っている。我が家では、サカキの下の程よい木陰の下で、沢山弾けた種から20
株程顔を出したが、近所の友人にお配りして今は10株程育っている。
 06年は、1株だけが健在・・・・。庭のあちこちから5センチほどの小さな株が出てきた。来年が愉しみ。友人のところは驚くほ
ど大きな株基に生長し、ワサビの様になっている。草丈は30センチ以上あり、見事な株には沢山の花をつけていた。

1株だけになってしまったのは、一緒に戴いたオカトラノヲが、3年の間に3メートルほどの専用花壇を陣取ってしまった。オカト
ラノオが年々増えていく。勇気を持って間引けばいいのに・・・間引く勇気が無いのだ。結局、みんな駄目にしてしまった。
ハンゲショウは終に1株だけになり、しかも花壇から飛び出て助けを求めているかの様に、庭に出てきた・・・・・。

 



*画像転載禁止*




オダマキ=04・4・20






(2段)白色の萼片は5個。先端が僅かに黄緑色帯びている。
花弁は白色で距の先端は、内側に巻いている。先端は黄緑帯びた球状。

オダマキ=04・4・18

(3段)花柄に毛があるようだが、特徴か否かは不明である。
オダマキ=撮影04・4・20

(4段左)袋果。花は下向きであるが、花弁と萼が落下すると蕊だけが残り、
次第に上向きになる。2〜3センチの袋果は真上を向く。
(4段右)袋果の内側が裂けて黒い光沢のある種子が見える。

オダマキ=06・6・6





(5段)粉白色帯びた葉。自然に近い色合いの画像である。
オダマキ=04・4・13

(6段)長い葉柄をもつ葉は2回3出複葉。
小葉の先端はさらに裂けている。無毛。

オダマキ=04・4・11

(7段)葉裏は白く見える。無毛。
オダマキ=04・4・11

(8段左)葉表の様子。粉を吹いたような緑色。
(8段右)葉裏の様子。無毛で白い。ミヤマオダマキは基部あたりが有毛らしい。

オダマキ=04・4・11





(9段)友人宅に株分けしたものが大きな株もとになっているのに驚いた。。
茎の根元は直径3センチもあり、木化している。我が家の株は、ひょろひょろ
であるが・・・・。葉が沢山息吹き始めている。

オダマキ=07・3・23
種別(お)  科別(き) FLORA  HOME Last up date 07・11・23 広島県





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