ジャノヒゲ
ユリ(スズラン)科 ジャノヒゲ属
 別名 リュウノヒゲ
学名 Ophiopogon japonicus (L. f.)Ker-Gawl.
 英名 dwarf lilyturf , mindo grass

ジャノヒゲは、陰地生の多年草で常緑の細い小さな葉を根生する。長い匐枝があり、根の所々に紡錘状の膨ら
みがある。葉は2〜3ミリ幅の細い線形で濃い緑色、一株に20個ほどの葉を根出するそうだ。長さ10〜20セ
ンチ程度、葉先は湾曲して垂れる。葉縁には小鋸歯があり、指でなぞると鋸歯の存在がわかる。花茎は高さ7
〜12センチ程度、やや扁平で狭い翼があり、花茎には葉は無い。小さな淡い紫色花を総状花序につける。花
被片、雄蘂ともに6個ある。花糸はごく短い。子房は中位で子房壁は花後すぐに破れて種子を裸出させるそう
である。種子は7ミリ程度の球形でコバルト色である。
園芸種に、葉が短く株が小型の‘玉竜’別名チャボリュウノヒゲ、淡い緑色の‘白竜’、白筋斑入り、黄星斑入り、
黄筋斑入り等もあるそうである。
その他良く似たものに
●ナガバジャノヒゲ[var. unbrosus ]は変種。こちらの株は叢生し匐枝が出ないそうだ。葉の長さは30〜40
  センチと長め、花柄は8〜10ミリとある。西日本には多くあるらしいが、未だ自生しているものは見ていない。
●オオバジャノヒゲ[O. planiscapus] は長い匐枝があり、葉の長さは30〜50センチでナガバジャノヒゲより更
  に長い、葉幅は4〜6ミリと広い。果実はコバルト色で8〜9ミリ程度。
●ノシラン[O. jaburan ]は匐枝がない。葉は80センチになるものもあり、茎は扁平な2稜形で狭い翼があるの
  が特徴。種子は倒卵型でコバルト色をしている。
●斑入ノシランにはシロスジノシランやキスジノシラン等がある。
●カブダチジャノヒゲ[var. caespitisus]は、ジャノヒゲの一型で栽培品らしいが、叢生して匐枝を出さないもの。



出典・参考図書
● 『日本の野生植物T 草本 種子植物 』 平凡社
● 『神奈川県植物誌 2001 』 神奈川県立生命の星・地球の博物館
● 『園芸植物大事典 2 』 小学館




☆花の詩・メモ☆


福山園芸センターで斑入ジャノヒゲの黄筋斑のものを販売しているのを見た。ジャノヒゲ属はヤブラン属等と良く
似ているが、花糸が短い。ユリ科からスズラン科とされているようだ。ジャノヒゲを別名とするサイトも多い様だ。

小さい頃、この青い瑠璃色の種子を、《ヒッカラガッチョ》或いは、≪ヒッカラガッチョン≫と呼んでいた。何かが訛
ったのだろうが意味は良く判らない・・・。瑠璃色の皮を剥くと、中から淡い透明色だったか(?)な、硬いものが出
てくる。確か、それを地面に投げると高く跳ね返ってきた様な・・・記憶違いかもしれないかな??兎に角、何かし
ら遊んでいた記憶が有るが、どの様な遊びをしたか鮮明には思い出せない。実家にも植えてあった。果実を必死
で集めて愉しんでいた、素朴な時代だったのか・・・・。
今こうして書き込んでいると、長い間思い出しもしなかった事が、徐々に思い出してくる。懐かしい!確かに地面
に投げて遊んでいた。小さい頃、葉幅は2〜3ミリ程度と細く、葉の長さも10センチ程度の草本が土手に生えて
いるのを良く見かけていた。花は全く記憶になかった。気がつくと瑠璃色の果実だった記憶である。
カメラ行脚をするようになってから、下向きに白っぽい淡い紫色の花を疎らに付けるのを知った。12月頃種子の
皮を剥いてコンクリートに投げてみた…結構弾んだ。
良く似たオオバジャノヒゲは全体にかなり大きい。園芸種の‘黒竜’は知人宅にあり、おなじみである。




*画像転載禁止*


ジャノヒゲ=05・7・20





(2段)7月頃に、小さな花を下向きの総状花序につける。
葉に埋もれるように短い花茎を出す。持ち上げて撮影してみた・・。
花被片は6こ。雄しべも6こ。白っぽい花柱が見えている。

ジャノヒゲ=05・7・20

(3段)淡い紫色の蕾はすべて項垂れている。花柄は2ミリ程度。
披針形の苞の腋に1〜2花付ける。花被片の大きさは4〜5ミリ。

ジャノヒゲ=05・7・20

(4段)全体に白っぽい花被片の草体もある。
シロバナジャノヒゲ f. leucanthus か否かは判らない。

ジャノヒゲ=05・7・20




(5段)12月ごろになると所々に球形の種子が目立つ。7ミリほどの種子は瑠璃色で美しい。
皮を剥いて出てくるのは透明に見える硬いものコンクリートにぶつけると結構弾む。試してみた。

ジャノヒゲ=03・12

(6段)花柄の基部には披針形の苞があるが、この頃には見えない。残っているのは花被片と
おもえるが、図鑑には記載がない。茎の観察も出来ていないが、この画像からやや
扁平で狭い翼があるのが確認できる。

ジャノヒゲ=03.12.13




(7段)種子から見ても葉の細さがわかる。
葉縁には微細な鋸歯がある。

ジャノヒゲ=03・12

(8段)葉裏の観察を全くしていなかったが、白い筋状の畝がみえる。
ジャノヒゲ=05・7・20



●ジャノヒゲ・黄筋斑入り
福山市園芸センターに立ち寄ったとき販売していたもの。花や果実はなかった。

ジャノヒゲ・黄筋斑入り=05・2・2
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