シナワスレナグサ
ムラサキ科 オオルリソウ属
別名 キノグロッサム、 シノグロッサム 
学名 Cynoglossum amabile Stapf et J. Drumm.

シナワスレナグサは中国南西部原産。日本では秋播きの一年草として扱われる。冬はロゼット状態で越冬する。花期は5月頃。花径は5
ミリ程度の碧色の花で、ヤマルリソウによく似ている。花序に苞葉は無く、小花柄は長く伸びて成熟すると曲がる。子房は4分裂し花柱は
4分裂した裂け目の真中にある。花冠は車型で裂片は平開し筒部は短い。根出葉は有柄で、披針形〜長楕円状披針形をしている。茎葉
は根出葉より小さく無柄である。耐寒性は優れているが移植葉難しいそうだ。分果の上面は凹まず全面に鈎状にまがった刺がある。

シノグロッサム(キノグロッサム)属は和名オオルリソウ属。属名はギリシャ語の kyon =犬と glossa =舌の意味に由来するそうである。
全体に毛が多く、根出葉と茎葉があり葉は互生する。単葉で葉縁は全縁。花は頂生か偏側生の総状花序。萼は宿存性で5深裂か5全裂
で花後に大きくなる。花冠は高盆状または漏斗状で短い花筒があり、先は5裂し裂片の先は円形で、喉部には付属体がある。雄蕊5個は
花筒の中にあり突出しないので無いように見える。果実は4個の分果からなり、平らで前面に先の曲がった刺がある。オオルリソウ属には
●インドルリソウ[
C. furcatum ]=インド北部原産の多年草。春に高さ80センチほどで総状花序をつける。全体に大型で有毛。葉は長
  楕円形で先端は尖り互生する。花期は5〜6月。秋播きの二年草扱い。
●キノグロッスム・ネルウォスム[
C. nervosum] ヒマラヤ原産の二年草。丈は1メートル近くになる。全体に有毛。葉は披針形〜長楕円
  形で葉脈がはっきりしている。茎上部の葉は無柄。花序は偏側性の花序を付けるらしい。開花は6〜7月。
とある。


出典・参考図書
● 『園芸植物大事典 1』 小学館
● 『神奈川県植物誌 2001 』 神奈川県立生命の星・地球の博物館




☆花の詩 メモ☆

12月の初旬、道路沿いの民家の鉢植えを撮影させていただいた。ぽつりぽつりとヤマルリソウによく似た花を付けていた。茎は殆ど倒れ
ていた。小さないがの様な果実ができていた。翌年の5月下旬に、同じ鉢を見る機会があり沢山のブルーの花が咲いていたが緑色の若い
果実が沢山出来ていた。当時は葉の観察まで気がまわらなかった。葉を全く観察しておらず一寸残念であるが、草本全体の大きさなどか
らシナワスレナグサとした。花の大きさが5ミリ程度だったかな????と、このサイトを仕上げる段階になって気に成るが、思い出せない。




*画像転載禁止*



シナワスレナグサ=04・5・30






(2段)偏側性の総状花序をつける。花は碧色。この画像の付属体は白っぽい。
ヤマルリソウによく似ている。

シナワスレナグサ=03・12・3

(3段)花冠は5裂し裂片の先は円形。喉部には5個の付属体(鱗片)がある。
雄蕊は花筒の中にあり突出しない。中から僅かに見えている。
花冠は短い花筒がある。

シナワスレナグサ=04・5・30

(4段)果期の萼を背面から見たもの。成熟期には花柄が曲がるらしい。
普通萼は5裂するがこの画像のものは4裂している。
花軸や花柄の白い毛が目立つ。

シナワスレナグサ=03・12・3

(5段左)萼は宿存し、花後に膨れて大きくなる。
果実は分果で4個。上側の分果は丸く見えるが下側の分果は凹んでみえる。
全面にあるのは先が曲がった棘らしい。分果の裂け目の間からみえる花柱がわかる。
(5段右)分果が熟してきた。

シナワスレナグサ=03・12・3
種別(し) 科別(む) FLORA  HOME Last up date 08・8・16 04・5・30







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