|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
無臭ニンニクについて掲載されている図鑑を、当初私は所有していなかった。NET情報=CiNiiより。それによると無臭ニンニクは [Allium ampeloprasum ]に属する植物とある。名前は栽培されている農家の方の情報とも一致する。CiNiiの了解を得ていない が、公開されている情報なのでリンクさせてもらった。 アメリカのNET情報からも、グレートヘッド・ガーリック、エレファント・ガーリックなる品種と同一と判明。掲載されている多数の画像 の花、葉、茎、鱗片などから確認できた。リーキという西洋ネギの一品種のようである。 『園芸植物大事典 1 小学館』最近この大事典全6巻を手に入れた。流石にパイオニア的存在である。アリウム属の和名はネギ 属。属名はラテン語 alere =匂いの意味に因むともケルト語 all=焼くの意味に由来するともいわれ諸説あるそうだ。地下茎を持 つか鱗茎を作り、葉は線形、円柱形または幅広い扁平な葉を根出する。花は散形花序につき花被片と雄蕊は6個。子房上位で3 室。時には蜜腺のあるものもあるそうだ。花序は最初は膜質の仏炎苞1〜2個に包まれており、花序の展開後も残る。野菜や鑑賞 用に栽培される。『園芸植物大事典 5 小学館』によると、リンネがリーキを独立種[A. porrum ]とし植物学者ゲーが地中海地方 に野生する[A. ampeloprasum ]の変種としたとある。これに属する栽培品は下記の3群があるようだ。 ●リーキ=長く太い葉鞘をスープなどに使う。軟白すると20センチ程になるそうだ。散形花序はエレフェントガーリックとそっくりだ。 ●クラト=葉身を食用に使う。韮の様に葉を刈り取って使うそうだ。 ●グレートヘッド・ガーリック=ニンニクより弱い匂いはある、球をピクルスなどにつかう。 リーキとクラトの2者は、日本の根深ネギと葉ネギの関係に似ているとある。このグレートヘッド・ガーリックはほとんど稔生はなく球 で増殖するそうだ。大型の中心球、その外側に小球がつき弱いニンニク臭があるそうだ。英名はgreathead garlic 、elepha- nt garlic。 . リーキについて、花茎は中空ではないそうだ。葉身は扁平で竜骨稜があり幅5センチ程度、葉身は60〜80センチ、互生で殆ど分 げつ(株分かれ)せず葉鞘は筒状で短く太い、軟白すると白ネギの様に20センチ程度になる。散形花序は大きく観賞用にも栽培 されるそうで、花被は淡い紫紅色、濃い紫色。実物を見たことは無いが図鑑での絵合わせでは無臭ニンニクの花序と見分けがつ かない程似ているが、あくまでも絵合わせではリーキの花序の方が密のように思える。気候や長日条件で花茎の両側に数個の球 を形成する事や、頂芽が球になって丸球ができるともある。 出典・参考文献 ●『園芸植物大事典 1 』 小学館 ●『園芸植物大事典 5 』 小学館 ●『原色牧野植物大図鑑 続編 』 北隆館 ●『原色園芸植物図鑑 改訂版 W 球根編 』 保育社 ☆花の詩メモ☆ 06・6・3 すぐ近所の家庭菜園の畑に1本だけ生えていた。それはニンニクと教えて戴いてから2年が経った。ニンニクではなくニラネギとか リーキ[A. ampeloprasum 異名 A. ampeloprasum var. porrum ]、[A. porrum ]と言われる物と言う事でニラ ネギとして掲載し直していた。が・・・・またもや訂正する事になった。なんたる無様なことである。 実は無臭ニンニクだったのだ!! 無臭ニンニクを植えている農家の人と話す機会があり、名前を教えて頂いた。無臭ニンニクは名前の通り殆ど臭いのしないニンニ クらしい。流石に株元はリーキという野菜にそっくりである。リーキあるいはリークについて調べてみた。 『原色牧野植物大図鑑 続編 北隆館』によると、リーク[A. porrum ]は二年草。ヨーロッパから西部アジア原産で、日本に入った のは明治初期。ほかのネギ属に比らべて全体に大型で、鱗茎があり食用にしたのは根茎とあり、解説画像にはネギの様な根が 描かれているが、無臭ニンニクの様なニンニクの超大型鱗茎は描かれていない。花色や散形花序の様子は無臭ニンニクの花序 とはよく似ているがリークは根茎を食べる洋ネギとある。『原色園芸植物図鑑 W 保育社』によると、リーキの茎を曲げて栽培し、 ミヤコ・アリウムと云う俗名を付けて、切り花として販売されているそうだ。現在でもその名で販売されているかは判らない。花の様 子は、無臭ニンニクと瓜二つかも知れない・・・。この図鑑には残念ながら画像がないのだ。 06・6・23 この畑の道路沿いに植えてある花を撮影ながら思うに、畑の中央にニンニクと並べて植えてあるニンニクに比較して、葉幅、草丈、 全てにおいて倍以上の大きさである。この日まだ花は咲いていなかったが、つぼみは長いとんがり帽子を被っている。この畑には 施錠してあり中には入れない。しかし、無臭ニンニクについて詳細が全く判からないのも、これまた不思議である。学名も不明であ る。また訂正する様な事が無い事を祈るのみ。因みにニンニクの花は、白紫色の花をつけるそうであるが大きさが不明。開花しな いままむかごになったり枯る事の方が多いそうである。草本の大きさからして然程大きくは無いと推測。 06・7・8 畑のそばを通ったので中に入れていただいた。収穫しないで抜いたまま放置されている。花をここまで咲かせてしまうと、流石に球 根は太らずに惨いことになっていた。と思いきや、農家の人に聞くとこの様に沢山分球させて収穫するのだそうだ。しかし、NETで 見ると鱗片(球根)は分球しないで大きいが・・・・。 07・5・16 無臭ニンニクと同定してから。別の畑で初めてニンニクと並んで植えてある姿を撮影できた。 |
*画像転載禁止*
*仏炎苞葉花序が展開しても残っているのがわかる。 (2段左)花の拡大。紅紫帯びて綺麗である。花被片はこれ以上あまり開かない。 (2段右)硬くまっすぐ伸びた茎と2〜3センチ幅の葉だった。 ニンニクにそっくりで、当初は本気でニンニクと思い込んでいた・・・・。
(1段左右)つぼみの大きさ3〜4センチ。茎の太さは1・5〜2センチ。 先端までは1メートル前後・・大きい! (2段)散形状花序。花柄がピンク色で可憐である。 (3段)花被片はタマネギの様には平開しない。 (4段左)花には稔生がないそううである。 (4段右)収穫しないまま何株も抜いて放置されていた。 10センチほどのおおきさ。この様に分球する・・・・。 分球した塊は、ニンニクの様に臭くなく食べ易いということであった。 (5段)葉の基部のようす。まるでアガベの一種に見えるほど大きい。 葉を食用にするリーキとは完全に異なると確信した。 (6段) ●無臭ニンニク=向って左側の緑の濃い頑丈そうに見える方。 ●ニンニク=向って右側。蕾の様に見えているのはムカゴで 花は咲かないそうである。植えると、ニンニクが育つとのことであった。 |
||||
|
Last up date 08・3・23 | 広島県 |
Copyright (c) 2004-2008 hananouta All Rights Reserved