ハナシュクシャ
ショウガ科 ハナシュクシャ属
 別名 ジンジャー、 ジンジャ
学名 Hedychium coronarium J. Konig
異名 H. coronarium Koen.
英名 ginger lily、 butterfly ginger、 butterfly lily、cinnamon jasmine、 garland flower、

『原色園芸植物図鑑 W 保育社』
によると属名の Hedychium は、ギリシャ語の hedys 甘いと chion 雪の意味に由来、
純白の花を持ち芳香があり一番最初に付けられたものがコロナリウム種の花。ヘディキィウム属の和名はジンジャ属とあ
る。

ジンジャ属は半耐寒性多年草で、殆どは大きな株になり、太い茎に長楕円形、披針形の大きな葉をつける。高さは0・8〜
3メートルを超えるものまであるそうだ。葉は2列に並び葉柄は殆どない。花茎は葉の間から出て穂状花序に多数の花を
つける。花冠は細長い筒部と花の下に丸まったような細長く垂れている外花被3個で、花弁に見える3個は仮雄ずいとあ
る図鑑もある。中央の唇弁状の最も大きいのが真弁で1個、左右に広がった花弁状の2枚は外輪雄蕊が変形したものだ
そうだ。中央に突出しているT本は稔性雄蕊で上部に葯がある、雌蕊は雄蕊の中に隠れている。花柱は細い溝になって
いて、葯の上に緑色の柱頭だけが見えている。
萼は筒状で先が3裂しているが苞に隠れて見えない。果実は刮ハ。

ヘディキウム・コロナリウムの和名はシュクシャ。ジンジャ属の代表格だそうである。
coronariumは花冠の様なの意味らし
い。インド、マレー、セイロン等に分布。江戸時代に渡来。花冠の色は純白であるが、黄色の混じるものもあるそうだ。花
は日没前に開花し強い芳香があるそうである。丈は1〜2メートルになり、葉は長楕円形で先端は鋭尖頭。開花期は8〜
11月頃。
■変種のシュクシャ[var. chrysoleucum (Hook.) Bak.、 異名 H. Chrysoleucum Hook.]について『
園芸植物大事典4 小
学館
』によると、別名ジンジャー、高さ1〜2メートル、葉は披針形で鋭尖頭、長さ20〜60センチ幅5〜10センチ、表面は
無毛、裏面は有毛。花序は15〜30センチ、苞は緑色で4〜6花つけ、純白の花で芳香があり筒部の長さは5〜8センチ。
一番大きい花弁状の部分(唇弁状仮雄ずい)の長さは5センチ。江戸時代に渡来とあるが、特徴は全くシュクシャと変わら
ない。どこがどの様に違うのか私には良くわからない・・・。

ハナシュクシャの疑問が解けた!原色図譜 園芸植物 平凡社によると、Gingerはショウガ属[Zingiber]の総称。狭義
では生姜のこと。[Hedychium]はハナシュクシャ属とある。この両者は良く似ているが、ハナシュクシャ属はジンジャーリリー
[Ginger Lily]とよばれる。花卉園芸ではジンジャーと言えば、ハナシュクシャ属を指す程らしい。時には[H. coronariumu]を
指す場合もあるらしい。ハナシュクシャ属の地下茎も生姜のように多肉
で、葉も生姜によく似た長楕円形、披針形で2列に
並ぶ。当サイトはハナシュクシャ属と訂正した。

ハナシュクシャは花は純白で大きく、唇弁は凹頭で基部はぼかしたクリーム色、花糸は白で葯は黄色。葉裏には毛が密
生しているそうで、切り花にするとその毛が飛び散りくしゃみ等が出たりするそうである。果実もめったに出来ないが結実
した果実が熟すとルビー色になるそうである。見てみたい。


他のヘディキィウム属の仲間は多種あるが良く聞くものに
●ヘディキウム・コッキネウム[H. coccineum Buch. Ham.]=ベニバナシュクシャ。花は紅色。葉は線状披針形で無毛。
●ヘディキウム・カルネウム[H. carneum Wall. ex Roscoe]=ニクイロシュクシャ。花は肉色。葉は披針形。裏中肋に絹毛。
●ヘディキウム・ガードネリアヌム[H. gardnerianum Wall.]=キバナシュクシャ。花は黄色、花糸は赤色。果実は赤。
●ヘディキウム・デンシフロルム=花序は25センチほどの円柱状。夏開花。葉は楕円状披針形。


出典・参考図書
● 『原色図譜園芸植物』 浅山英一著 平凡社
● 『原色園芸植物大図鑑』 北隆館
● 『原色園芸植物図鑑 改訂版 W 球根編 』 塚本洋太郎著 保育社
● 『園芸植物大事典 4 』 小学館
● 『山渓カラー名鑑 園芸植物』 山と渓谷社
● 『原色日本薬用植物図鑑 全改訂新版』 木村康一 ・ 木村孟淳 共著 保育社





☆花の詩・メモ☆


ジンジャーと言っても食用の生姜[Zingiber officinale Roscoe]ではない。花は見た事が無いのも無理は無い。日本では
温室以外では咲かないらしい。図鑑を見るとミョウガの花の形をしている唇弁に赤紫色のグランドに黄色の斑点がある花
で美しいそうだ。根を見る限り良く似ている。良く似ていると思ったのに撮影していない。
私の見たものは園芸交配品種と思えるが名前は不明。花色は白、淡いクリーム色、オレンジ帯びた黄色等。園芸種も多
いそうで、白色のコロナリウムに似た花もあるそうだ。草丈は1メートルそこそこのものを良く見る。これらは、ヘディキウム
の交雑種[ Hedychium hibrid ]あるいは、橙色帯びた画像のものは、ベニバナシュクシャやニクイロシュクシャの交雑
種の可能性も考えられるし結構同定は難しい。以前NETの掲示板で ヘディキウム・コロナリウムを和名ハナシュクシャと
教えて頂いたが、手持ちの図鑑何れにもハナシュクシャの記載が全くない。変種のシュクシャの学名のものをハナシュクシ
ャと言うのだろうか?『原色園芸植物大図鑑 北隆館』
ではシュクシャ=コロナリウム=漢方の縮砂としている。学名の
KonigのOは実際にはOの上に点が2個.またはKoenig, Keenig になっている図鑑もある。

手持ちの図鑑の中で一度も開いた事のない図鑑がある。『原色図譜 園芸植物 平凡社』である。ハナシュクシャについ
て唯一記載があった。やっとハナシュクシャについて納得できた。よかったぁ!



*画像転載禁止*



●ヘディキウム・コロナリウム和名ハナシュクシャ 、シュクシャ


和名はシュクシャ。インド、マレーシア原産。coronarium は、花冠の様なという意味でジンジャーの代表らしい。
花冠は純白であるが黄色の混じるものもあるそうだ。高さは1〜2メートルになり、葉は長楕円形で先端は鋭頭。
花は日没前に開花し強い芳香があるそうだ。江戸時代に渡来。





●変種のシュクシャ
 『画像なし』
    学名 Hedychium coronarium var. chrysoleucum
(Hook.) Bak.、
     異名 
Hedychium chrysoleucum Hook.

長さは20〜60センチ。葉幅5〜10センチ。葉表は無毛。裏面は有毛。花序は15〜30センチ。苞は緑色で花
を4〜6個抱く。花は純白で芳香がある。唇弁状の仮雄ずいは5センチ。江戸時代に渡来。


ヘディキウム・コロナリウム=03.11.12






(2段)この画像からは見えないが、(1段)画像では良くわかる細長く垂れている3個の部分は外花被。
中央に大きな真直の花弁があり、左右の長楕円形に広がった2枚は外輪雄ずいが変形したものとある。
中央に1本突出しているのは雄ずいで上部に葯を持っているが、雌ずいは雄ずいの中に隠れており
花柱は細い溝となっている。柱頭だけが葯の上部に緑色部分としてあるとある。

ヘディキウム・コロナリウム=03.11.12




●ヘディキウム の交雑種
   
 学名 Hedychium hybrid

ヘディキウムの交雑種。オレンジ色帯びた唇弁状の花の画像は、ニクイロシュクシャとして掲載していた
が、花の特徴が図鑑による花序や唇弁の様子、及び雄ずいの長さが短い点など全く異なる。交雑種とし
て掲載し直した。種間雑種は多くつくられているそうだ。

(1段)花糸はサーモン色伸びているが花は淡いクリーム色帯びている
ヘディキウム交雑種=0311・2




(2段)サーモンピンクのような色合いはニクイロシュクシャに似るが、ニクイロシュクシャであれば、
葉の裏面中肋部に絹毛があるそうだ。『原色園芸植物図鑑 W 保育社』によると、ニクイロ
シュクシャの花は小さいとある。花色から‘コウキ’という交雑種にも似ている。

ヘディキウム交雑種=05・8・2

(3段)開花する前の外花被や開花後の垂れている様子がよくわかる。萼については、筒状の苞に
隠れて見えないそうである。稔性雄ずいの花糸は長く右下の花糸に溝が見えている。
雄ずいの中に溝となって雌ずいがあるとある。この品種の花糸はオレンジ色をしている。
葯隔の上部に緑色の柱頭が突出している。粉をふいたように葯が弾けているのも見える。

ヘディキウム交雑種=05・8・2
種別(し) 種別(は)  科別(し) FLORA  HOME
Last update 08・3・9 05・8・2・広島県




Copyright (c) 2004-2008 hananouta All Rights Reserved