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アリアケスミレは長い間 シロスミレ[V.patrinii var. patrinii ]と混同されていたそうである。平野や低地、水田地帯、草地、路傍、 居住地近辺の湿地に多いそうである。シロスミレは、東北から中部地方にかけて分布するそうである。 ■根に関しては、白い事が特徴でスミレやシロスミレとの区別点。しかし、古い根は淡い褐色〜褐色になり、白い根だけでの区別は 出来ないらしいが、新しい根は白色。 ■花については、花柄は10センチ前後、無毛で葉より高くならない。小苞葉の位置はまちまち。萼片は披針形かやや広披針形で鋭 頭。萼の付属体は縁毛はない。花冠は1〜1・5センチ。側弁は有毛、上弁にも毛のあるものもある。唇弁と側弁に紫条が入る。 距は2〜4ミリでやや扁平で太く短い、淡い緑色をしている。花柱は三角の虫の頭形をしている。 ■葉は5〜15枚。大きさは5〜8センチ。幅2センチ広い鈍端で長楕円状披針形をしているのが特徴。基部は切り形か僅かに心形。 両面緑色で僅かに紫帯びるものもある。両面無毛、基部の縁に短毛のあるものもある。花後の葉は大きくなり長三角状披針形。 ■葉柄は花時には2〜10センチ、上部には短い翼があり、無毛のものから有毛のものもある。 ■果実は刮ハ。長さ6〜12ミリで無毛。種子の色は黒褐色。種子の長さは1ミリ前後、片側に太い縦隆条があり、へそに種枕がの こる。種皮は平滑で種子の色は明黄褐色、種枕は淡褐白色で光沢は弱いそうだ。 出典・参考文献 ●『原色日本のスミレ』 浜栄助 誠文堂新光社 ●『日本植物種子図鑑』 東北大学出版会 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ』 いがりまさし 山と渓谷社 ●『日本の野生植物 U草本 離弁花類 』 平凡社 ☆花の詩 メモ☆ アリアケスミレとの差が分からなかった。花弁に紫色のすじ模様の入った白花スミレをシロガネスミレ[V. mandsurica f. hasegawae ] と呼ぶらしい。東京都白金で見つけてこの名が付いたと記載が在る。『日本のスミレ 山渓』も写真が精巧で解説も細かく見易いが、シ ロガネスミレの画像がない。どちらの図鑑にもシロガネスミレについては、極稀であるとある。それでもアリアケスミレとの区別がなかな か付けられず、04年に初めて撮影して以来今回08年4月28日に掲載し直すまでの4年間迷いに迷った。07年に別の場所で撮影し たアリアケスミレは、直ぐに同定できたが、近所の墓地で見つけたアリアケスミレはシロガネスミレとして掲載していた。根茎も撮影して いたにもかかわらず、アリアケスミレと同定できずにいた。07年末に『原色日本のスミレ 誠文堂新光社』を手に入れた。流石にパイオ ニアだ。 撮影した花柄に毛があるのを見ると迷ってしまうが、観察した根から言うと、若しシロガネスミレであれば、スミレ同様根は黄褐色〜黒 褐色とある。その点古い根は褐色で、新しい根が白色である点で同定した。このスミレを初めて見たのは、03年の春。町内の墓地だ った。濃紺のスミレと共存して毎年咲いているを04年も05年も確認していたが、今一観察不足。墓地が整地されて見られなくなった。 スミレ(総称して)が、畦や土手等に咲いているのを見付けると、必ず『アッ、スミレだ!』と思うのは、きっと私だけではないだろう。06 年以前には、町内の道路のアスファルトと側溝の框に沿って毎年たくさん白いスミレが咲いていたが、観察を全くしていなかった。結果 その時もシロガネスミレなのかアリアケスミレか、はたまたノジスミレの白花品だったのか、当然ながら区別は全く出来ていなかった。 06年下半期に下水道工事が着工されて道路沿いには全て無くなってしまった。観察のチャンスを失って残念であったが、08年の4月 中旬に墓地に咲いているのを見て、墓に両手を合わせて了解を得(?)這いつくばるようにして観察してきた。そして1株ほど長い根茎 の色の観察と種子の観察を行いたく、掘り起こし我が家に持ち帰った。今後観察をしていく予定でいたが、種子を採取するのがやっと だった。結局09年は生えてこなかった。此の時観察した種子は、『日本植物種子図鑑 東北大学出版』にあるように、明るい黄土色だ った。 |
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(2段)刮ハ葉下向きであるが、やがて上向きになり 3裂し種子を弾き飛ばす。種子の色は淡い黄褐色でツクシコスミレに似ている。 種子の撮影も採取もしていなかった・・・・。 (3段)根の部分。長く太い根は黄褐色。新しい根は白い。 (4段)細長くヘラ型の葉。葉柄には翼が多少在る。 (5段)葉は横に広がって数も多い。
是の白い花が、野辺に咲いているのを見ていたく感動した私・・・。 葉が立ち上がっている様子や葉の量などから長い間『シロガネスミレ』として掲載していたが 08年4月訂正した。スミレと混じって咲いていた。 (2段)花だけ見ると沢山の候補が有り迷う。 上弁にも毛があるものが多いそうだ。 (3段左上下)側弁には毛がある。柱頭下部の出っ張りが大きい。カマキリ型と言う。 (3段右)距は黄緑色に見えるが、拡大してみると紫の斑がうっすらとある。 (4段)根の部分。太い根は黄褐色。新しい根は白い。 (5段)太い根は褐色。 (6段)新しい根は白色
(7段)下部の托葉と茎に付く小苞葉。披針形をしている。 この株を持ち帰り種子の出来るのを待ち、観察を行った。 弾けていない果実の時点で採取し、袋の中で弾かせたもの。 『日本植物種子図鑑』の画像は褐色であるが解説には明黄褐色とある。 片側に縦隆条があるとある。画像では1個の種子で確認できる 『原色日本のスミレ』の挿絵は黒褐色になっている。 |
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Last up date 08・6・30 | 広島県 |
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