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タツナミソウ属は一年草〜多年草または半低木がある。葉には鋸歯がある。花は花序軸に仮輪が偏って一方向につき、 葉腋か頂生する総状花序につける。萼は鐘形で唇型で開口部は全縁、上唇には半円形の隆起があり花後に口を閉じる と小さなお皿の様になる。果実が熟すと上唇の蓋の部分が脱落する。花冠は筒部が折れ曲がった様に立ちあがり、開口 部は唇型。上唇は兜状になり、下唇は3裂する。下唇の真ん中の中裂片は開出し、側裂片は上唇と合着している。雄蕊 は2対あり、背面の葯は2室で前面の葯は1室。果実は分果で円形、多くは扁平で低い突起がある。 タツナミソウは、丘陵地の半日陰か明るい草地に生える多年草。根茎は短く、茎は短く這った地下茎から茎はやや群がっ て立ち上がり、高さは20〜40センチ、白色の粗い開出毛が密につく。葉は数対が疎らにつき、長さ5〜20ミリの葉柄が ある。葉は広卵形〜三角状卵形、両面とも軟毛が多い。葉縁には鈍い円みのある鋸歯がある。葉先は丸みを帯び基部 は心形。葉身は1〜2・5センチ。葉は茎の最下部の物は小さいが、ほぼ皆大きさは等しいものが等間隔につく。側鋸歯 は7〜14対ある。開出毛がありやや密に花を付ける。花期は5〜6月。花序は頂生の長い穂状花序につき、花冠の下唇 には泡立つしぶきの様な紫斑点がある。萼は花期には3ミリ程度であるが、果期には6〜7ミリと大きくなる。分果は黒色 で1ミリ程、鋭い円錐状の細突起がある。和名の由来は花の咲く様子が泡立つ波を連想させることに因むそうだ。 出典・参考文献 ●『日本の野生植物V 草本 合弁花類 』 平凡社 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『原色日本植物図鑑 草本編 T 合弁花類』 北村四郎・村田源・堀勝 共著 保育社 ☆花の詩メモ☆ 08・10・5 『神奈川県植物誌 2001』に掲載のあるタツナミソウの解説図。茎の開出毛があまりにも顕著で、タツナミソウと変種関 係のコバノタツナミソウ[var. parvifolia Makino]と区別がつけられない様な毛の量である。コバノタツナミソウとは、葉 脈の先端の様子で区別が付けられるそうだが、図鑑だけでの絵合わせによる同定はなかなか難儀だ。色々な図鑑を調 べていると益々頭は左のほうにぐるぐる巻きになる・・・・・。タツナミソウ属の同定は容易そうで難しい。 西向きで日当たり良好の山の法面にポツポツ咲いていたが、花序の青が一際冴えて草の中でも良く目立った。葉が大 きかった印象がある。写真を写してこのサイトを作るまで、4年の歳月が過ぎ記憶があいまいになり始めた。しかもこの段に 及んで葉の観察が全く出来ていない事に気づいても如何にもならない。09年の春にたずねてみよう。果たしてちゃんと頑 張っているだろうか?それにしても画像の花序の毛が上向きになっている点と、葉の大きさ、葉縁の鋸歯の数等で同定に は相当迷った。 |
*画像転載禁止*
(2段)花序は穂状花序。上唇は兜状。 下唇は3裂し中裂片が大きく斑模様がある。側裂片は上唇と合着。 (3段)花柄の基部下側には小さな葉状の苞がある。 萼片の隆起した部分が花筒の基部に見える。 (4段)左上の萼のように鐘形で唇型。開口部は全縁。 萼の上唇には半円形の隆起がある。左上の萼で言うと紫褐色に見える部分。 花後に開口部を閉じる。閉じた様子は右側の下部に側面が写っている。 ここで迷ったのは花序軸の上向きの毛である。 まず、ヤマジノタツナミソウが候補に挙がった・・・。 (5段)果実が熟すと杯のように窪んだ上唇が脱落。 左上は側面から見たもの。果柄の基部の膨らんだ部分に種子ができる。 残念ながら種子の観察は出来ていない。 (6段)葉の観察が全くできていない。おかげで同定には苦労した。 葉縁の鈍い鋸歯は14対以上ある気がする。少なくとも表面には毛がある。 |
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種別(た) 科別(し) FLORA HOME | Last up date 08・10・5 | 広島県 |
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