シロバナマンテマ
ナデシコ科 マンテマ属
 
 学名 Silene gallica L. var. gallica
 英名 Small^flowered catchfly

マンテマ属は1〜越年草または多年草。まれに基部が木質になるものもある。花は集散花序か茎の先に1花を頂生か葉腋に互生状に
単生する。萼は筒状になり鐘形かつぼ状になり、先は5裂する。花弁は5個、爪は長く、舷部は2裂か全縁。基部に2個の付属体の小麟
片がある。雄蕊は10個、花柱は3〜5個。刮ハは卵形〜長楕円形。花柱の2倍数の歯がある。

シロバナマンテマはヨーロッパ原産の帰化植物。路傍、埋立地、海浜の砂地や疎林に生える越年草か一年草。雌雄同株。茎は下部から
分枝し粗毛が多く、上部の茎には腺毛がある。葉は2〜4センチ、長楕円形〜へら形で先端は円いが、上部の葉は細くなり先は尖る。萼
には10脈があり短い腺毛と長毛が混生。萼の先端は5歯がある。花は葉腋に互生的に単生、茎の先では葉の小型化した苞があり、総
状花序のような形になる。花弁は白色または淡い紅色で全縁、2裂しないそう。花柱は3、刮ハは6裂する。


出典・参考図書
●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館
●『日本の野生植物U 草本 離弁花類』 平凡社
●『原色日本帰化植物図鑑 』 長田武正著  保育社
●『日本の帰化植物 』 清水建美著 平凡社





☆花の詩 メモ☆


04・5・12
前日近所の友人が、1本の花を持って『花の名前を教えて』と遣ってきた。私は初めて見る花だった。早速その場所に出かけて見る事に。
シロバナマンテマはフクロナデシコの原型のような草本である。駐車場に車を止めると叢に淡い桃色の花が沢山咲いていた。草丈は30〜
40センチ程だったろうか。海を埋め立てた入り江の土手に向かって歩くと、ポツリポツリと生えていたが次第に群生状態で生えていた。中
に白花もホンの少し混じっていた。赤色の濃いマンテマ[
var. quinquevulnera (L.) W. D. J. Koch] の学名上の母種だそうである。
マンテマを探してみたが、ここでは見つけられなかった。シロバナマンテマは淡いピンク色も白花も含んでの種名。或る日、車で帰宅中すぐ
近所の道路際、アスファルトと側溝の隙間に2〜3本並んで生えていた。白く小さい花が不思議に運転席から一瞬目に入る。『あっ!』車を
バックしてちかよると、白い花冠のシロバナマンテマだった。
花弁下の細い萼筒には10本の脈が有り、其の脈は緑色〜赤褐色を帯び、全体に長い毛と短い腺毛に覆われていた。短い花柄があり、花
の終わった萼筒は膨らんでいた。茎や萼筒に腺毛が多く、軽く握ってみると粘りがある。花径は1センチ 弱、花の正面から見たり撮影する
と判り難いが、側面から見ると一方向に向いた花序にも、並び方に一定の法則がある様に感じたが、互生の様な半輪生の様な並びである。

08・10・5
私の見たものはどれも花弁の縁が全縁では無い様に思えるのだが・・・・。淡い桃色の萼筒は赤い脈があるが、白花の萼筒の脈は緑色で
赤味は帯びていない様である。あくまでも画像からの判断で、撮影当時は全く気に留めなかった・・・・。



*画像転載禁止*



シロバナマンテマ=04・5・12
淡いピンクの草本

シロバナマンテマ=04・5・12
白花の草本






(3段)横向きで一方向に向いた花序になっているが互生するような形に並ぶ。
花の基部には苞葉が2個ある。

一方向に向いた花序=04・5・12

(4段)花の着きかたに一定の決まりがあるようである♪〜。横にしてみた。
苞葉の向きを見ると良く理解できる。

花の着きかた=034・5・12




(5段)萼筒に包まれた刮ハは次第に膨らんで熟す。
左は刮ハの先が6裂している。花柱の2倍数に裂けるため子のは菜は花柱が3個。
右側には先が5裂した萼から刮ハの先が覗いている。

シロバナマンテマ=05・5・29

(6段)果実の観察を特にしていなかったが
黒っぽく見える種子には少なくとも突起があるのは見える

シロバナマンテマ=05・5・29





(7段)茎や葉には粗い開出した毛もある。葉は茎を完全に抱いている。

シロバナマンテマ=04・5・12

(8段)対生する葉身は2〜4センチ。細いヘラ形で基部は合着している。
シロバナマンテマ=04・5・12
種別(し) 科別(な) FLORA  HOME
Last up date 08・10・5 岡山県



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