シキミ
 シキミ科 シキミ属
 別名 ハナノキ、 コウノキ
学名 Illicium anisatum L.
 異名 I. religiosum Sieb. et Zucc. 、英名 Chinese aniseJapanese anise

イリキウムの和名シキミ属。属名はラテン語 illicium =誘惑の意味または、il-licio=おびき寄せる、誘拐するの意味に由来し、特殊な芳香に
因むそうである。シキミ属は北アメリカ東南部、中国南部、インドシナに約40種と日本に1種が自生するそうである。芳香性のある常緑小高
木または低木。葉は単葉で互生し、托葉は無い。全縁で全面に細かい油点がある。花は両性で放射相称。1花が腋生し淡い黄白色または
紅紫色帯びる。萼片は3〜6個が瓦重ね状に並ぶ。花弁は9個または多数、萼片より次第に移行し連続する。雄蕊はらせん状に並び、花糸
は肥厚、葯は内向する。離生する心皮は多数あり1列に輪生する。それぞれ1個の胚種を含む。果実は木質の袋果。成熟すると内縫線で裂
開して種子を出す。種子には胚種がある。1科1属。

アニサツムの和名シキミ。
日本には宮城、石川県以西に分布し低山の林地に自生する。常緑小高木で樹皮は暗灰褐色、若枝は緑色をして
いる。葉は有柄、長楕円形から倒卵形、滑らかな革質で艶があり柔らかい香気もある。花期3〜4月。径3センチの淡いクリーム色の花をつ
ける。心皮は6〜8個。果実は特に有毒で木本全体も有毒。和名のシキミは、果実の有毒性から『悪しき実』の意味に因むそうである。墓や
仏前の供花に用いられ、墓苑や寺院の境内などに植栽されているそうである。

●ウスベニシキミ [ 
f. roseum Okuyama ]=花が薄紅色
●オキナワシキミ [ 
var. masaogatae Honda]=葉が細長く琉球諸島原産
●ヤエヤマシキミ [ 
var. tashiroi Walker]=心皮の数が多い。西表島原産。

シキミの果実によく似た中国料理によくつかわれる香辛料の一つ八角は、和名トウシキミ[I. verum Hook ]、無毒で安全な木本の果実だそ
うだ。


出典・参考図書
●『園芸植物大事典 2 』 小学館
●『日本の野生植物 木本T 裸子植物』 平凡社
●『山渓カラー名鑑 日本の樹木』 山と渓谷社
●『神奈川県植物誌 2001 』 神奈川県立生命の星・地球博物館





☆花の詩メモ☆


シキミの果実は、八角という香辛料では無いかと気に成っていた。このシキミの樹が実家の墓のある山の入口に植えたのか否かは不明であ
るが生えている。長い間、シキミが生えている事も、春の彼岸の頃には白く清楚な花が咲いている事も、秋の彼岸の頃になると一寸変わった
形の果実が生っている事も全く気付かなかった。実家ではヒサカキを供えるがシキミは供えない。或る日、不動明王を祭った寺に行くことがあ
った。そこに花の咲いたシキミが供えられていた。シキミという名前は知っていたが、花は初めてみた。意外と大きくクリーム色の花は清楚で
あった。
03年のころだったろうか、秋のお彼岸に実家の墓参りに出掛けた時の事。3メートルぐらいの樹高の樹に、八角と同じ様な形の果実が生っ
ているのを見た。八角は、我が家では欠く事の出来ない香辛料。余り香辛料やハーブは使わない私だが、月桂樹の葉とこの八角は、料理に
は欠かせない。骨付き鶏の煮込み料理には、八角は絶対に欠かせない。然し、其の樹がシキミと言う事も果実は猛毒と言う事も未だ知らな
かった。果実が熟したら持って帰ろかなぁ等と思っていたが、持ち帰ることは無かったが、実家の墓の入り口にあるあの大きな樹はシキミと
知った。其の後、花の写真を撮る事に夢中になり、シキミについて図鑑を調べる時が来た。これまた驚き!シキミは、樹全体が有毒だと言う。
特に、果実は猛毒と記載されていた。あの時欲を出して果実を持ち帰り、乾燥させて食べていたら、我が家族は全員、≪悪しき木の実≫を食
べてあの世に旅立っていたかもしれない。笑ってはいられない。



*画像転載禁止*



シキミ=05・3・10






(2段)側面から見た花。細い花弁と広めの花弁が瓦状に重なっている。
萼片から花弁に移行する。

側面から見た花=05・3・10

(3段)径3センチほどの花。花弁は9個または多数。雄蕊と心皮は多数ある。
心皮は1列に輪生し、離生しているそうだ。
乳白色の葯は弾けているが、柱頭は固まっている様に見える。

花の拡大写真=05・3・10

(4段左)葉腋から花芽が出ているのが判る。葉は輪生している様に見えるが、互生。
若い枝は緑色。
(4段右)上の方の蕾は、固まって付いて見えるが其々葉の腋部に付いている。

側面から見た互生の葉と葉腋の蕾=05・3・10頂生して見えるが蕾は、葉腋ニついている=05・3・10




(5段)長い果柄の先に果実ができている。8個の集合果。
花柄はそれほど長くないのに、果時の柄が長いのには驚いた。
シキミ=05・5・27撮影

(6段)1ヵ月半後には大きくなっていた。が木質化した袋果の確認はできていない。
熟すと木化して褐色になり、縫合線が裂けて種子が飛び出す。
シキミ=05・7・14撮影





(7段)葉は革質で柔らかく艶があり、側脈などは不明瞭。
細かい油点があるらしいが残念ながら観察できていない。
シキミ=撮影05・3・10


(8段)樹姿。道路を隔てた隣町の山際に生えている。樹高は2メートルほど。

シキミ=撮影05・3・10




●トウシキミの果実は香辛料の「八角」という名で販売されている。
 
 シキミの果実とよく似ているが、こちらは肉の臭みを抜く香辛料。我が家でも時々、鶏の手羽元を
 煮込むときに使う。我が家ではこの香りを嫌うものはいないが、強い香りを嫌う人もいる

この果実は乾燥した八角。5個は熟し、残りの3個は果実が出来ていない。
    袋果8個の集合果らしいが、秋まで八角との比較はお預け。

八角=05・4・2
種別(し) 科別(し) FLORA  HOME
Last up date 09・8・29 広島県



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