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リコリス属の和名はヒガンバナ属。属名は一説にギリシャ神話の海の女神リュコリス Lycoris の名に因むそうである。リコリス属は地下部に鱗茎 があり、花茎や線状または帯状の扁平な葉を根出する。初夏に葉が枯れ晩夏〜早秋頃に花茎が立つ。葉の出現は開花と同時または直後の秋 期出葉型と、翌年の早春に出る春期出葉型に分かれるそうである。茎頂花を散形花序につけ、花被片は6個、基部は合着して漏斗状。雄蕊は6 個、雌蕊は花被と同寸かそれ以上ある。子房は3室、花柱は糸状。種子は黒褐色。鱗茎には良質のデンプンもあるが、アルカロイドを含み有毒。 ショウキズイセンは日本南部に自生。鱗茎はヒガンバナよりやや大きく殆ど球形で外皮は黒褐色。葉は黄緑帯びた粉緑色で、平たい葉で幅2セ ンチ程度、光沢があり花が終わった初夏には40〜60センチになる。9月下旬頃から花茎30〜60センチを出す。茎の頂に鮮黄色か橙黄色の 花を1茎に5〜8輪程つける。開花は10月上旬から中旬。花被片の縁は波打つ。雄蕊も雌蕊も黄色で雄蕊は先端が大きく上に湾曲、雌蕊はほ ぼ直線で、柱頭は上のほうに僅かに曲がるらしい。ショウキズイセンは[L. africana (Lam.) M.J. Roem.] と同種とする見解もあるそうだ。 ●台湾産より花茎が短く花被片が幅広で、花序がより水平に広がり、葉に光沢があるものを[L. traubii ]とされる事があるとある。 ●中国東南部原産の系統のショウキズイセンは、花茎が長くより濃い橙黄色の大花をつけ、開花が1カ月以上早く出葉が春の、[L. chinensis Traub]と、その変異種の[L. sperry ] があるそうだ。 ●中国原産の淡い黄色花で春期出葉型の[ L. caldwellii Traub]という別名の系統があるそうだ。 アメリカの従来型の[L. aurea ]はハリケン・リリーと呼ばれ、9月のハリケーンの来る頃に咲く。花茎は75センチにもなり、花も葉も大きく葉は花 のあるうちから伸びる。アメリカで純黄色が見出された一つは[L. chinesis ] と付けられ、丈は従来型のオーレアより低く開花期は7月下旬〜8 月上旬。葉はナツズイセン型で春出葉する。もう一つは雑種でまだ学名が付いていないとあるが、これが[L. sperry ]かもしれない。 日本のショウキズイセンは 染色体2n=12、13、14の3種があり、14のみ稔性で他は不稔性とあるが、染色体レベルになるとお手上げ!だ。 出典・参考図書 ●『園芸植物大事典 5』 小学館 ●『原色園芸植物図鑑 改訂版 W 球根編 』 塚本洋太郎著 保育社 ●『原色園芸植物大図鑑』 北隆館 ●『原色図譜 園芸植物』 浅山英一著 平凡社 ☆花の詩メモ☆ 濃い黄色のショウキズイセンは、カメラ行脚の帰り道、県道の路側帯に在る花壇で咲いていたもの。華やかな黄色に緑色の花茎であった。走行中 であったが鮮やかな黄色がとても目を引く。路地植えされた路側帯で毎年開花するのだろう。一方、淡い黄色のショウキズイセンは草ボウボウの畑 で咲いていたもの。茎は褐色帯びていたが品種に関係あるのか否かは不明である。花被片が淡い黄色だった。中国原産の淡い黄色花で、葉は春 期出葉型(ナツズイセン型 )の[L. caldwellii ]と同定した。 |
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Last update 08・9・29 | 広島県 |
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