|
|||||||||||
|
|||||||||||
ハナズオウ属は落葉性の小高木または低木で棘はない。葉は有柄、心臓形か円形で互生し普通単葉で全縁、3または多数の脈がある。 托葉は鱗片状で早落性。花序は短い偽総状花序。前年の葉腋の節に集まって付く。春に葉の展開前に咲き始める苞は鱗片状で花時に も宿存する。萼の基部は斜形し先端は5浅裂、萼裂片は同形。花は紫桃色あるいは白色で、花冠は不完全な蝶形。竜骨弁が旗弁や翼 弁に比較して大きい。基部に長い爪がある。雄蕊は10本で離生、葯は同形。雌蕊は1個、柄が有り離生、子房は多数の胚珠、花柱は糸 状で頂端にやや頭状の柱頭がある。結実した薄い豆果は,秋には褐色に乾燥して熟し裂開。豆果の種子をつける側の縫合線は狭い翼状。 日本には自生はなく鑑賞用に栽培されているそうである。 ハナズオウは中国原産。和名のハナズオウは、スオウ[Caesalpinia sappan ]で染めた色(蘇方色=スオウ色)に似ているところから 付けられたそうだ。若い枝は淡い褐色、無毛でややジグザグに曲がる。樹高2〜5メートル。株もとから多くの幹を直立させる。葉は長さ幅 共に10センチ前後の円形、基部は心臓形で互生。単葉で長い葉柄がある。やや革質で表面は鈍い光沢がある。葉は中肋とその両側の 脈が太いため、基部から3脈が出るように見える。裏面の脈の基部に毛がある。托葉は膜質の卵形で2ミリ、表面は無毛、縁に縮れた軟 毛が密生しているそうだ。花芽は7〜8月に当年枝の基部の葉腋、時には古い枝に形成される。 花は葉の展開前に咲く。花の長さは2セ ンチ、花期は長い。花は偽総状花序が短縮して4〜10花が束状に付くように見える。長さは1センチ、萼は鐘形、先は浅く5裂。雄蕊は10 個で花糸はすべて離生。苞は卵形、1・5〜2ミリで、背面や縁に褐色の軟毛を密生。萼裂片には縁毛がある。花の上側の花弁は1個、楕 円形で長い爪が有り、両側の花弁より内側につき、やや小型で花時には立ち上がる。両側の2個は花時には反曲する。下部の花弁2個 は竜骨弁にあたりほぼ長方形。円頭で基部に爪があり、雄蕊と雌蕊を覆い、舷部の上側は張り出している。果実は落葉後も鈴なりになっ て枝に残っている。果実は豆果、中には4ミリほどの種子が5〜8個はいっている。 白花品のシロバナハナズオウもある。 普通、蝶形花の旗弁は翼弁の外側につくが、ハナズオウの花は蝶形花に見えるが、旗弁が小さく翼弁の内側にある。 出典・参考図鑑 ●『日本の野生植物 木本T 裸子植物 』 平凡社 ●『園芸植物大事典 3 』 小学館 ●『山渓ハンディ図鑑 4 樹に咲く花 離弁花2 』 山と渓谷社 ●『山渓カラー名鑑 日本の樹木 』 山と渓谷社 ●『樹木大図鑑』 北隆館 ☆花の詩 メモ☆ ハナズオウの花の仕組みを今まで知らなかった。見た目にはマメ科の花と余り違わないが、旗弁の上に、更にウサギの耳のような花弁が 2個ある。実はこれは翼弁で、他のマメ科の花は竜骨弁を包むように付いている。竜骨弁とは、蘂の横に有る手の平を合わせた様な形の 花弁の事。ハナズオウの場合は、旗弁が翼弁の内側に付いている事になる。他のマメ科の花は、この旗弁が一番外の上に付いている。 豆果は沢山ぶら下がっていて見栄えは悪い気がする。豆果の上側に有る細い翼は大きな特徴らしい。他のマメ科の鞘には無いと思う。 色々知ると、楽しい♪〜〜。しかし、上記図鑑にはハナズオウの白花品種をシロバナハナズオウとしていないのが気がかり。≪花の詩ず かん≫では、種別(し)検索一覧に『シロバナハナズオウ』として掲載しているが白花品とするのが正しいのかもしれない。それにしても図鑑 によって、同じ部位の解説もこうも違うものかと驚きだ。画像と見比べながら解説を読むと確かに納得いく。それにしても、身近にある良く知 っている植物を詳しく調べるのも結構面白い。 |
*画像転載禁止*
(2段)上側の花弁の1個は、両側の花弁より小さめで内側につき花時には立ち上がる。 両側の2個は、花時には反曲する。下部の花弁2個は竜骨弁にあたる。 雄蕊と雌蕊を覆い、舷部の上側は張り出しているそうだ。 要は旗弁の上に、更にウサギの耳のような花弁が2個ある。実はこれは翼弁で 他のマメ科の花は竜骨弁を包むように付いている。竜骨弁とは、蘂の横に有る手の 平を合わせた様な形の花弁の事。ハナズオウの場合は、旗弁が翼弁の内側に付 いている事になると理解している。 (3段)花は偽総状花序が短縮して4〜10花が束状に付くように 見えるとある。濃い紅色の萼は鐘形、先は浅く5裂。花柄も濃い紅色。 (4段)苞は卵形で1・5〜2ミリ程らしいが、計測してはいない。 背面や縁に褐色の軟毛が密生しているのが見える。 萼裂片には縁毛があるらしいが、観察できていない。 (5段)雄蕊は10個、花糸はすべて離生しているのが良く見える。 まだ小さな果実は上に向かって出来ているが、大きくなるにつれ 次第に垂れ下がる様になる。 (6段)果実は薄い豆果、中には4ミリほどの種子が5〜8個入っているそうだが、 莢から透けて見える種子の数は11個あるようだ。 豆果の種子をつける側の縫合線は狭い翼状になっているのがわかる。 鉈の鋼を連想させる形・・・・をしているような。 (7段)葉は長さ幅共に大きいものは、10センチ前後の円形で基部は心臓形。 やや革質で表面は鈍いつやがある。葉先は尾状に尖る。 (8段)画像のハナズオウはまだ若い木本。幹が太いとあまり感じないが、 若い枝や細い幹などは多小ジグザグに曲がっているのがわかる。 (9段)托葉は膜質で卵形で2ミリと図鑑にあるが、観察していないので何とも言えないが、 表面は無毛、縁に縮れた軟毛が密生しているらしい。 葉は長い葉柄がある。若い枝はジグザグしているのがわかる。 葉の中肋とその両側の脈が太いため、基部から3脈が出るように見えるが、 残念ながら裏側の観察をしていなかった・・・。
(2段)花は白色で、萼や花柄は淡い緑色をしている。 |
||||
|
Last update 06・3・18 | 広島県 |
Copyright (c) 2004-2006 hananouta All Rights Reserved