ホオズキ
ナス科 ホオズキ属
 
学名 Physalis alkekengi  L. var.franchetii  (Mast.) Makino
 異名P. franchetii var. bunyardii (hort.) Makino 、P alkekengi L. var. franchetii Hort. f. bunyardii Makino 、P.alkekengi L.
 
var.franchetii (M.T. Mast.) Hort. 
英名 Chinese lanternplant 、 Husk tomato、Ground cheryy

フィサリスの和名はホウオズキ属。『園芸植物大事典 4 小学館』によると、属名はギリシャ語のphysa =膨れた物の意味に由来し
膨らんで嚢状になった宿存萼に因むとある。多くはアメリカ大陸原産。熱帯から温帯にかけて広く帰化し、果実は観賞用、食用として
利用するとある。ホオズキ属の茎は直立か横に広がり斜上。葉は有柄で互生し、葉縁は全縁または深く切れる。花は小花柄があり
下向きの小さな花を葉腋に普通単生する。花冠は車形か短鐘形で普通は5裂。雄蕊は5個。萼は鐘形で10脈があり先端は5裂し、
花後は次第に大きく嚢状になり果実を包み、熟すと発色する。果実は球形の液果で熟すと橙赤になり多数の種子がある。

ホオズキは東アジア原産らしいが自生地は不明。多年草であるが園芸的には一年草として扱われる。白い地下茎を横にのばして増
える。茎は直立し高さ60〜90センチ程になり分枝は殆どない。毛は殆ど無毛で上部に疎らにある程度。葉は互生し節毎に2葉ずつ
出るので対生に見えるが、上部では対生状になる。葉は卵形で先は尖り、葉縁は粗い鋸歯があるが両面無毛。花期は6月。花径は
1.5センチ程の小さな淡い黄白色で先は浅く5裂。萼は短い鐘形、花後に萼が発達して嚢状になり果実を包み込み、7月下旬から8
月にかけて赤く色づく。赤く色づいた物をドライフラワーなどにも出来る。東京浅草寺のホオズキ市は有名である。漢方では、根や地
下茎を酸漿根[P. Radix](さんしょうこん)といい、全草を酸漿(さんしょう)といい、鎮咳剤、利尿、解熱薬などに用いる。園芸品種には、
●タンバホオズキ=嚢は幅が広く、押しつぶされたような形で、液果も大型で立派。
●サンズンホオズキ=別名チャボホオズキ。草丈が15〜20センチと低く、鉢づくりに向いている。果実は扁平。
●ヨウラクホオズキ[f. monstrosa Miq.]=別名ナギナタホオズキ。萼の変形した苞葉状のものを葉腋から下垂した花軸に多数つける。

ヨウシュホオズキ 基準変種 [var. alkekengi] は全体に毛が多く、葉縁の鋸歯が目立たない。


出典・参考文献
●『日本の帰化植物』 清水建美著 平凡社
●『原色日本薬用植物図鑑 全改訂新版』 木村康一 木村孟淳 共著 保育社
●『園芸植物大事典 4 』 小学館
●『原色図譜 園芸植物』 平凡社
●『園芸植物大図鑑』 北隆館




☆花の詩メモ☆

我が家にも母がホオズキを植えて果実を食べていた。美味しいのかと思い私も食べてみたが、種が多く苦味があり苦手だった。ホオズ
キにはアルカロイドが含まれているそうであるが、果実にはビタミンAも多く含まれているそうである。地下を這う白い茎はドクダミに似て
いるが、ドクダミの様に厄介ではない。

04稔6月14日に、紫褐色の茎で葉も紫帯びた暗緑色、萼も紫褐色で当然萼嚢は緑暗褐色をしているホオズキを見た。キウイフルーツ
の棚の下に、高さは50センチ程で、数十株が生えていた。普通のホオズキと色以外は全く変わらない。色々訊ね花掲示板などに問い
合わせをしてみたが、手掛かりが全くない。勿論手持ちの図鑑を片っ端から調べてみたが掲載がない。園芸品種ではあろうが、是非とも
同定に漕ぎ着けたいものである。2年後の06年にも出かけてみたが、褐色の果実がなっていた。このサイトに間借り掲載をしている。


*画像転載禁止*



●ホオズキ
この株は誰かが捨てたのか?山間の道の草むらの中に生えていた。葉は明るい緑色で葉縁には
鋸歯が目立つ。花が上向きになっているのは私が故意に向けたもの・・・・・。

ホオズキ=06・9・14






(2段)花冠は1・5センチ程度で5裂。基部には緑色の斑がある。
雄蕊は5個、葯は乳白色。雌蕊は1個。
花冠の外側は腺毛におおわれているようだ。

ホオズキ=06・9・14

(3段)長い小花柄がある。萼は嚢状に膨れ、果実をつつんでいる。
葉は有柄で互生するが、節ごとに2個づつ葉がつくため対生に見える。
葉腋から果柄が伸びているのもわかる。

ホオズキ=06・9・14

(4段)葉先は尖り、葉縁には大きな鋸歯がある。
ホオズキ=06・9・14




(5段)近所の花壇で撮影したもの03年7月下旬に撮影したもの。右は11月初旬に撮影。
ホオズキ=03・7・24



●タンバホオズキ

近所の知人宅で鉢栽培しているもの。赤く色づいたものは見ていないが全体に大型である。

タンバホオズキ=04・6・7






(2段)この段階では普通のホオズキとさほど変化はないようである。
タンバホオズキ=04・6・7

(3段)葉の様子。主脈が紫帯びているが・・・・・。
葉は卵形で葉先は尖るのはホオズキと同じである。

タンバホオズキ=04・6・7



品種名不明のホオズキ

ホオズキと異なる点は萼が紫褐色である。若い草体の色合いは一見ナスのようにも見える。
花、葉の鋸歯などからホオズキの一品種と思えるが詳細は全く不明。

黒萼のホオズキ=04・6・14

黒萼のホオズキ=04・6・14






(3段)花はホオズキと変化はないと思える。
黒萼のホオズキ=04・6・14

(4段)萼は紫褐色。先は5裂している。他のホオズキ同様脈は10脈がある。
黒萼のホオズキ=04・6・14

(5段左)紫褐色の若い萼。
(5段右)赤く色づき始めた萼。

黒萼のホオズキ=04・7・14

(6段)赤く色づいた萼からは若い萼が紫褐色だったとは
露ほども面影はない・・・・・。
*茎に葉痕が写りこんでいるのを見ると、下側2個は葉。上側が花柄の痕である。
*茶色く枯れた葉は菊のもの・・・・。

黒萼のホオズキ=06・11・10

(7段)若い株。茎は紫褐色。
葉は互生しているが一か所から2個出ているのもわかる。
葉の色は紫帯びた暗緑色、葉脈は紫褐色。
葉は虫の被害に遭っているが、葉先は尖り葉縁の鋸歯が確認できる。

黒萼のホオズキ=06・11・10
種別(ほ)  科別(な) FLORA  HOME Last update 08・11・16 広島県


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