ヤナギバルイラソウ
キツネノマゴ科 ルイラソウ属

 学名 Ruellia brittoniana E. Leonard

リュエリア属の和名はルイラソウ属。属名は植物学者のリュエリアに因む。ルイラソウ属は熱帯アメリカ、アフリカ、アジア、オーストラリア、
北アメリカに250種が分布するそうである。一年草、多年草または低木状で多くは軟毛がある。葉は対生し葉縁は全縁。まれに歯牙縁の
ものもある。花は葉腋に単生または束生して集散花序につけるか、頂生して円錐花序になるものがある。萼は深く5裂し裂片は線状披針
形。苞は細く小さい。花冠は漏斗形でほぼ等しく5裂する。雄蕊は4個の2強雄ずいで花筒部に合着する。柱頭は2裂し花柱は細い。果実
は棒状で刮ハ。4〜20個の扁平な種子がある。

ヤナギバルイラソウの種名ブリトリアナは人名に因む。メキシコ原産。茎は4稜形で赤紫色、無毛で直立し高さは60〜100センチになる。
葉はヤナギのはに似て細く長形〜披針形で長さは6〜10センチ程。葉縁は僅かに波状の鋸歯縁になっている。葉腋から花茎を斜上させ
疎らな集散花序で2〜3花をつける。花は紫色で長さ4〜5センチ、花径4センチ前後。日当たりのよい場所では周年開花するそうだ。
果は10〜20個の扁平な種子があるそうだ。

●バルビラナ[
R. barbillana Cuf.]=コスタリカ原産の多年草。良く似た花で葉は長卵形〜広披針形で長さは5〜8センチ、幅は3〜4
  センチ。全縁でややざらつく。花は紫色。
●ツベロサ(チューベローサ)[
R. tuberosa L.]=アメリカ西南部、インド諸島原産。地下部にかなり大きな多肉質の根がある多年草。冬
  は冬眠、春に地際から新芽を出す。葉は長卵形で長さ7〜10センチ。小波状の葉縁。花は青紫色。茎は有毛。


出典・参考文献
『園芸植物大事典 5 』小学館



☆花の詩メモ☆


町内の道路の縁に3メートル程生えていた。アスファルトと側溝の切れ目のひびに・・・。まるで植えたかのように、03年頃から毎年生えてく
る。『ムラサキルエリア』と呼んでいた。
何時もお世話になる掲示板に、此花に良く似た葉幅がもっと広い植物の訊ね花が在った。其の時私は、掲載している植物の正式な名前を
知った。回答者の諸氏は、流石に良く研究されていて敬服する。
『園芸植物大事典 5 小学館』には解説はあるが画像がないので、同定
出づにいた。花は次から次へと咲く。いつ見ても咲いている様に見える。草姿は50センチ程度だった、葉は名の通りヤナギのように細い線
形で先は尖る。長さ10センチ前後、幅は1センチ以下で対生している。花の大きさは4センチ前後あろうか。皺くちゃにもんだような風合い
の紫色花は一際目立つ。茎は紫褐色、葉脈や葉も少し紫褐色を帯びていた。ところが07年、町内もやっと下水道工事が始まり、道路のア
スファルトはすべて掘り起こされ、すっかり跡形もなくなってしまった。

08年の10月頃だったろうか、いつもお世話になる掲示板に、ルイラソウの種子の仕組みを詳しく調べられたサイトが投稿されていた。素晴
らしい観察には驚いた。素人の域を超越している。まるで専門家の研究者のようである。

09・9・14
近所の何時も乾燥した側溝に60〜70センチほどのヤナギバルイラソウが生えている。葉や果実の観察を行ってみようと思っているところ
である。


*画像転載禁止*



ヤナギバルイラソウ=03・8・26







(2段)紙をくしゃくしゃに揉んだような風合いの花。花径は4センチ程度。
ヤナギバルイラソウ=04・6・9

(3段左)先が2裂した雌蕊1本、長い雄蕊2本と短い雄蕊2本
は花冠筒部に合着している。 
(3段右)長いストロークの部分は子房。萼は5裂。
蕾の時は苞が萼のように見える。白いのは軟毛。

ヤナギバルイラソウ=04・6・9

(4段)果実。熟してくると上向きになるらしい。
種子などの観察は出来ていない。

ヤナギバルイラソウ=03・8・25




(5段)茎は紫褐色で無毛。葉は長形〜披針形で6〜10センチ。
鋸歯縁でやや波状になっている。

ヤナギバルイラソウ=04・6・9
種別(や)  科別(き) FLORA  HOME Last update 08・12・31 広島県



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