ゼニアオイ
アオイ科 ゼニアオイ属
 
学名 Malva sylvestris L. var. mauritiana Mill.
 異名 M. sylvestris L. var. mauritiana Boiss. 、

『日本の帰化植物 平凡社』
によると、原産地は地中海沿岸、北海道〜琉球まで帰化している。1699年『草花絵前集』などに載っており
江戸時代には既に渡来していたとある。和名のゼニアオイは花の形を銭に見たてたそうだ。

ゼニアオイはヨーロッパ原産の園芸種。逸出して空き地、道端、畔道などに生える越年草。茎は直立し高さは60〜150センチになる。疎
らに毛があるそうだ。葉は長柄があり円形で浅く5〜9裂。裂片は半円形、葉縁の鋸歯は鈍く尖り基部は浅い心臓形。花期は8〜10月。
花序は葉腋に束生する。花柄は花期には長さ1・5センチ程で短いが果期には伸びる。花径は3センチ程で平開。萼に接してつく小苞は
長楕円形〜長卵形で、近似種より幅が広い。萼は浅く5裂、裂片は三角形、果期には果実を包む。花弁は淡い紫色で濃い紫色の脈があ
り、倒心臓形基部は楔形、花弁先は凹む。雄蕊は多数、花糸の下半分は合着して筒になり、雌蕊を取り巻く。果実は10〜11個の分果。
分果の表面は網状脈があり、成熟すると蜂の巣状に凹むそうだ。ゼニアオイは、基準変種のウスベニアオイより茎が一般に無毛で、葉は
広心形で浅裂し、花が紅紫色で濃いなどの点で違いがあるそうだ。

●ウスベニアオイ[
var. sylvestris]=基準変種。茎には開出毛があり、葉は深く掌状に中裂〜深裂し、裂片の先が尖る。
シロバナゼニアオイ[
var. albiflora]=白花の園芸品種。


出典・参考文献
『日本の帰化植物 』 清水建美著 平凡社
●『神奈川県植物誌 2001 』 神奈川県立生命の星・地球博物館
『園芸植物大事典 3 』小学館』
●『山渓カラー名鑑 園芸植物』 山と渓谷社

●『原色図譜 園芸植物』 浅山英一著 平凡社



☆花の詩メモ☆


這うように茎が曲がって横たわるゼニアオイを 03・12・22に初めて見て、這うタイプがあるのかと驚いた。咲いている時期的にも驚いた
が、狂い咲きで捻れたのかと思った。04・5・4全く別の畑で、曲がった茎で横たわるゼニアオイを見た。花色が他のゼニアオイより濃い紅
暗紫色をしている。てっきり這うタイプもあるんだと思い込んでしまった。

06・6・3 
その畑に地主さんがいらしたので、立ち寄ってみた。同じ場所に寝転がっていた。多年草だと言われていたが、種子繁殖しているのか否か
は判らない。図鑑によると一年草から多年草とある。耐寒性の高い植物である事も確かである。5月の下旬頃から、あちこちで目にする様
になる。この畑にも植えてある。150センチほどあった。持ち主さんによると、『品種名はプリンスがついていたような・・・。』と言われていた。
花色の違いは、それぞれ園芸品種の違いと教えて下さった。淡い色から濃い紅色まである。
葉の形や花色、毛の有無などでウスベニアオ
との区別をすると一般に図鑑には記載がある。なかなか葉の形や茎の毛の有無については、素人は度合いが判り難いと常々感じる。

09・1・1
以前這うタイプもあると思い込んでいたが、この品種には這うタイプなどはないようだ。そのような事はどの図鑑にも記載はないから。



*画像転載禁止*




ゼニアオイ=06・6・4






(2段)この草体は寝転がっていた。てっきり這うタイプと思った。
03・11・27の撮影である。

ゼニアオイ=03・11・27

(3段)葉の様子。葉柄には毛が多い。
これらは浅く5裂し先は半円形である。鈍い鋸歯がある。

ゼニアオイ=03・11・27

(4段)この株も畑に寝そべっていた。茎は曲がっていた。
別の場所で03・12・22の撮影。茎を持ち上げて撮影。
葉裏の葉脈上や葉柄には毛があった。茎はつるつる光沢があった。

ゼニアオイ=03・12・22





(5段)花弁は5個。基部は急に細くなった楔形。
紅色の線形のものは柱頭。10裂している。この数だけ分果が分かれる。

ゼニアオイ=03・12・22

(6段)花色もいろいろある。
ゼニアオイ=05・8・1








(7段)個の下部は50センチ程度。花色が鮮やかなボタン色で目を引いた。
茎に毛が疎らとはいえある。ウスベニアオイではと期待して撮影した株である。

ゼニアオイ=04・4・8

(8段)すべての葉は全体に広心形で浅裂し、しぼが大きい。
やはりゼニアオイである。

ゼニアオイ=04・4・8





(9段)花色が極端に薄い。これぞウスベニアオイと期待したが
やはりゼニアオイであった。

ゼニアオイ=05・5・23

(10段)茎は艶があるほどつるんとしている。毛のある部分は葉柄。
萼は浅く5裂。萼基部に小苞がる。長楕円形や卵型のものが見える。
花柄は1・5センチ程度とあるが、長短があるようだ。
葉柄の基部には托様がある。

ゼニアオイ=05・5・23

(11段)葉の基部は浅い心臓形で葉柄がわには毛が密生。
ゼニアオイ=05・5・23





(12段)ピンク色がとても愛らしい株であった。
畑の一角にたくさん植えてあった。

ゼニアオイ=05・8・1
種別(せ)  科別(あ) FLORA  HOME Last update 09・1・1 広島県



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