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『神奈川県植物誌 2001』によると、学名について一寸ややこしいが次の様な記載がある。レクトタイプの選定により、(Schillinge 1981) では、北アメリカでそれまで[S. americanum ]とされていたものは、[S. ptycanthum ]であり、[S. nodiflorum ]とされていたものが [S. americanum ]になっているとある。要はアメリカイヌホオズキの学名だった[S. americanum ]はテリミノイヌホオズキの学名に なっている。アメリカイヌホオズキは[S. ptycanthum]。当サイトの学名の出典。『日本の帰化植物図譜 平凡社』2003年刊行の図鑑 によると、アメリカイヌホオズキ[S. americanum]とある。 『日本の野生植物 V 草本 平凡社』によると、テリミノイヌホオズキの学名 は、[S. nodiflorun Jacq 異名S. photeinocarpum Nakamura & Odashma] になっている。アメリカイヌホオズキの和名の命 名は村田源によるそうだ。 アメリカイヌホオズキは路傍等に生える一年草。暖地では越冬するか否かは不明とされている。茎は直立または斜上、高さは40〜80セ ンチ程になる。若い枝には圧伏した短毛があるが、後には殆ど無毛である。葉は互生する。葉柄は長さ0・3〜4センチで短毛が散生する。 葉身は卵形〜長卵形で長さは2〜12センチ、幅1〜5センチ程で、葉先は尖り基部は鋭形、葉縁は全縁か2〜4個の大型の歯牙があり、 葉の表面と裏面脈上に短毛が散生しているが、葉の質は薄い。花期は5〜12月。枝の途中または葉と対の位置に花序を出し、2〜6個 の花序を散形状につける。花序軸は長さ8〜20ミリ程、花柄の長さは4〜10ミリぐらい、花序軸や花柄には圧伏した短毛がある。萼は鐘 形で長さは2ミリ程で短毛がある。花冠は白色の皿型で径5ミリぐらいと花や果実は小さい。 同定の特徴は、●1花序の花数は1〜4花と少ない。●花冠の径4〜6ミリと小さい。●果実中の球状顆粒を4〜10個含む。●種子の長 さは1〜1・3ミリと小さい。●果実は黒く熟し光沢はやや鈍い。時に暗緑色に熟す。●若い果実には白いふけ状斑紋はあまり見られない。 花序の花数が少ない点、花冠が小さい事以外はオオイヌホオズキと変わらないそうである。 出典・参考文献 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『日本の帰化植物図譜』 清水建美著 平凡社 ●『日本の野生植物 V 草本 合弁花類 』 平凡社 ☆花の詩 メモ☆ アメリカイヌホオズキとテリミノイヌホオズキの学名は、参考にする文献によって学名の違いが出て、最高に混乱してしまいそうである。それ を考慮して覚書のつもりで学名の変更などを記載しておく事にした。7月あたりから花をみる機会が多くなるが、イヌホオズキ程は無い。紫 色の花をつけていると間違える事は少ないと思い込んでいたが、白花が普通の様である。白い花で果実に光沢のあるものは、テリミノイヌ ホオズキと解釈していたのだが。その場合は花軸がどの様になっているかを観察し損ねると、同定のポイントの一つを見過ごす事になりそ うで難しい。実際には、球状顆粒の数が重要な様である。4〜10個在るそうだ。頭花が小さく青紫色をしている草本は、まず間違いないと 考えられるが、オオイヌホオズキやイヌホオズキなども花冠 が紫帯びた物もあるらしいので難しい。イヌホオズキの仲間は有毒とされてい る。『神奈川県植物誌 2001』にはイヌホオズキの項に、球状顆粒の有無を調べない限り、果実のない標本では同定は出来ないとある。 葉の質や枝ぶりなどでは、私はなかなか同定出来ないが、花はこの辺りでは11月でも見られる。花の大きさは5ミリ程度とあるが、7〜8 ミリ程の青紫の花冠の個体もあるが、イヌホオズキも紫帯びるものがあるらしいので、やはり果実の球状顆粒は重要となる。花だけでは混 同している可能性もある。 ●アメリカイヌホオズキ=花序や果実は軸の先一箇所に纏まってつく。果実はやや光沢がある。 ●イヌホオズキ =花序や果実は軸の先に並んでつく総状。果実は光沢が無い。 ●カンザシイヌホオズキ=花序や果実は軸が万歳をして下垂しない。果実は光沢がある。 ●ムラサキイヌホオズキ=花は淡い青紫。茎は紫帯びる 茎には稜があり毛のようなものが生えている。茎の色は緑色とされているが、紫褐色帯びるものも多いと感じている。紫褐色帯びるものは ムラサキイヌホオズキ[S.memphiticum ]かもしれないと不安になってきた。私自身は、葉では見分けが付かない。花色と花序など上記 の基準で見分けたいが一筋縄ではいかない。云々言っても結果、球状顆粒の有無を調べる事が基本に成るという事のようだ。 |
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(2段)花序は散形。花数は1〜4花。基部近くまで切れ込む。 画像のものは3個。花冠は小さいと感じた。大きさは4〜6ミリ。 紫帯びているものしか同定できないでいる。 (3段)果実は黒く熟し光沢はやや鈍いらしい。 暗緑色に熟すものもあるそうだ。 球状顆粒を調べていないが4〜10個あるそうである。 茎は緑色で若い枝には圧伏した短毛があるのだそうだ。 (4段)花序はやはり淡い紫色。ずかんでは花色は白とあるが・・・。 葉は2〜4個の歯牙がある 互生する葉の質は薄く、卵形〜長卵形。 (5段上)茎にある圧伏した毛の様子。 特に茎を観察していなかった。 (5段下)葉表の毛の様子。主脈や縁の毛が見える。 表面や裏面の脈上には短毛が散生しているらしい。 |
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