|
|||||||||||
|
|||||||||||
畑や道端に生える一年草。茎は直立し、枝は基部から分枝しやや平滑高さは20〜100センチ、茎や葉は無毛または若い部分に疎らに短毛 が生える。葉は広卵形で先は鈍いか短く尖り、基部は円形はまた広い楔形で1〜5センチの翼のある柄がある。葉縁は全縁か波状の鋸歯が ある。葉身は縁や裏面に疎らに短毛がある他は殆ど無毛。葉の長さは3〜10センチ、幅2〜6センチ。開花は8〜10月。花序は節間につき、 花序の中軸が多少発達し、花径7〜12ミリで白色まれに淡紫色の花を5〜12花、散形花序につける。花冠は基部まで切れ込まず皿型で深 く5裂し、裂片の幅が広い。葯は狭長楕円形で先はあまり狭まらず長さ2〜3ミリ、花柱は長さ4〜6ミリ。萼は杯形で浅く5裂。液果は球形で黒 く熟し径7〜10ミリで光沢はない。種子は卵形で2ミリ程で30〜60個あるが、球状顆粒は含まない。花冠裂片の基部に三角状の黄緑色の斑 紋が有るのが目立つ。他に、イヌホオズキに似た外国産の種類が幾つか入っているそうだ。『神奈川県植物誌 2001』によると、他のイヌホ オズキ類との区別は、花冠がやや大きく基部まで切れ込まない事でも区別はできるが、種子がやや大きく球状顆粒を含まないことを確認する 必要があり、果実が実っていない標本では同定できないとある。 出典・参考文献 ●『日本の野生植物 V 草本 合弁花類』 平凡社 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『原色日本植物図鑑 草本編T 合弁花類』 北村四郎・村田源・堀勝 共著 保育社 ☆花の詩メモ☆ 在来種のイヌホオズキ以外に、帰化種のオオイヌホオズキ、アメリカイヌホオズキ、ケイヌホオズキ、ムラサキイヌホオズキ、アカミノイヌホオズ キなどがある。道端、畑の隅などそこかしこで目にする植物であるが、有毒とされている。 いざ観察してみると、花序では解り難いが、果序が総状とも散形状ともとれるものに出くわし、今もって同定できないものが数点ある。徹底的に 調べない限り難しい。標本では、果実の無いものの同定は出来ないとされているが、果実があっても同定に難儀な植物群である。 球状顆粒を調べないと駄目だと、訊ね花掲示板で回答を頂いた事がある。実は、右も左も分からなかったころの03年に、NET情報で球状顆粒 の件を知り、彼方此方から見る限り違う草体を採取してきて調べた事があるが、どの草体にも球状顆粒はなく、結局中途半端なまま諦めてしま った。掲載している草本も調べたが、球状顆粒は見つからなかった。果実の艶のない点と総状果序でイヌホオズキと同定している。花や果実の 無い草本では、葉の質や枝ぶりなどからは、私には100%同定できないが、この仲間の花で 花冠が大きめの草体はこの辺りでは12月でも見 られる。狂い咲きと思っていたがどうやら、オオイヌホオズキやテリミノイヌホオズキ等も、冬になっても開花し暖地では越冬もするそうである。 |
*画像転載禁止*
(1段)葉の観察ができていないが、葉は広卵形で先は鈍いか短く尖り 基部は円形または広い楔形で1〜5センチの翼のある葉柄がある *以下同一草本を観察* (2段)若い葉には短毛があるがほかの葉は無毛。 花は基部まで切れ込まず、裂片の幅が広い。 花冠は白色、径8〜12ミリ。 花弁裂片の基部の三角状の緑色の部分が目立つとある。 (3段)茎の途中に花序をだし、果序の中軸がやや発達。 果序は総状に4〜8個つける。果柄や果軸には毛がある。 (4段)若い液果。萼は杯形で浅く5裂。 (5段)液果は径7〜10ミリ。球形で黒く熟す。 光沢はないので他と見分けがつけやすい。 中に種子は30〜60個、卵形で2ミリのおおきさ。 球状顆粒は含んでいない。腋果は萼を残して落下する。 (6段)茎の様子。茎は直立、角ばり無毛か疎らに短毛がある。 |
||
種別(い) 科別(な) FLORA HOME | Last update 09・1・4 | 広島県 |
Copyright (c) 2004-2009 hananouta All Rights Reserved