カラミザクラ
バラ科 サクラ属
 通称名 サクランボ
学名 Prunus pauciflora Bunge

『オウトウ』とは、バラ科サクラ属のサクラ亜属およびウワミズザクラ亜属に属する果樹類の総称。スモモ亜属の果実と比較すると、
果皮に桃等の様な毛が無く、スモモの様な白い粉を吹かない。また果実の表面に縦の溝がはっきりしない。現在広く世界で栽培さ
れているものは、セイヨウミザクラ節のセイヨウミザクラ [
P. avium L.] =甘果桜桃 と スミノミザクラ [ P. serasus L. ] =
酸果桜桃のわずか2種にすぎないそうである。日本で栽培されているものの殆どは、甘果桜桃だそうだ。

カラミザクラは中国の栽培種。高さは2〜3メートルの低木で枝が密生し、葉の展開前に花が咲き、果実は紅色で5月末には成熟
する。休眠芽の低温要求時間が少なく、暖地向きの桜桃。カラミザクラはサクラ亜属・サクラ節。花は1〜少数付き、常に顕著な苞
がある。葉腋に芽が1個付き、1〜4花が散房花序か散形花序につき、短い総状花序につくものもある。萼片は直立か開出、花弁
の先は凹む。萼片や若い枝は有毛。

同じサクラ節のシロバナカラミザクラ(シナミザクラ)と セイヨウミザクラ節のセイヨウミザクラの特徴を簡単に触れておく。
●シロバナカラミザクラ [
P. pseudocerasus Lindl. ] 別名 シナミザクラ。中国の栽培種。高さは7〜8メートルになる。葉は広
  倒卵形〜卵形、鋭鋸歯があり、長さは10センチになる。カラミザクラに比較すると、花と葉は同時に展開し、花柄が著しく長いの
  が特徴。中国桜桃は [ 
P. pauciflora ]と[ P. pseudocerasus ]の2つの系統から成る事を中井(1934)が明らかにした。
  それ以前に刊行された植物図鑑では、[ P. pseudocerasus ]の多くは、[ P. pauciflora ] の事を記述している。和名のカラ
  ミザクラと別名シナミザクラは別品種ということである。
●セイヨウミザクラ [
P. avium L. ] 別名 甘果桜桃。花は1〜少数つき、常に顕著な苞があるのはサクラ亜属の特徴は共通。
  葉腋に芽が1個付く。花は散形花序につく。総苞は宿存し、萼片は反り返る。花弁の先は凹まず円形。果実は甘いそうだ。


出典・参考文献
●『園芸植物大事典 1 』 小学館




☆花の詩・メモ☆


NET仲間が投稿写真BBSに、≪早咲きのサクラ≫として投稿してくれた。その写真を見た時『雄蘂の長いサクラ。雌蕊も随分太いし、
団子のように固まって花が付いている桜だな。』とは感じたが、疑わなかった・・・。あっは〜!≪実桜 詩話の思い出≫として掲載中。
手持ちの図鑑には詳しく載っていない。然も、私も詳しく分からないので、その様な早咲きの桜があるんだと思った。其の事について
他のNET仲間が違いを指摘してくれた。直ぐに調べて違うことを確信した。NET友達からもお詫びと変更の知らせが入った。種名は
『セイヨウミザクラ』と教えてもらった。さくらんぼもサクラの一種ではあるがちょっとお笑い。後はさくらんぼの実った写真を撮るだけ!

 
05・3・16
毎日通う道路端にさくらんぼが植えてある。写真を撮るまでは、桜としか思っていなかった。運転しながら車窓から眺めながら、蕾が
膨らんできたなぁ〜♪と思いながら通り過ぎた。ところが16:00過ぎにそこを通って家路に向かう時 『わぁ〜お!』 驚いた。一気に
白っぽい花弁が顔を覗かせて、咲いているではないか。

05・3・17
今朝も其のさくらんぼの側を通過する時、『わぁぁ〜!!』更に驚いた。樹全体ゴツゴツと目立つ蕾は、一気に開花して満開状態にな
っているのだ。たった一日の間で、こんなに変化するのかと本当に驚いた。徐々に徐々に咲き進むのではないのだ。今日は、雨がし
としとと降っている。午後15:00頃、再度通過するのが楽しみだ。

09・4・5
セイヨウミザクラのサイトの仕上げに取り掛かって、慌ててしまった。セイヨウミザクラとして掲載している画像の花弁先が凹んでいる
ことを見落としていた。
『園芸植物大事典 1 小学館』によるとセイヨウミザクラの花弁は先端が丸く、総苞は宿存し萼片は反り返る。
今まで撮影したそれぞれ全て花弁先端が凹んでいた。最初に掲載してから4年ぶりに 『カラミザクラ』として同定しなおした。『シロバ
ナカラミザクラ=シナミザクラ』は花と葉は同時に展開し、花柄が著しく長いとの記述からも異なり『カラミザクラ』に同定した。
実桜 詩話の思い出≫の花弁も先端が凹んでいるのでカラミザクラである。このサイトの木本はすべて同一木本。ただ葉について
の詳細な観察はしていない。知人宅玄関に植栽されていたこの木本は、08年には、町内の下水道工事とともに伐採された。沢山の
果実をつけていたのに残念である。



*画像転載禁止*



カラミザクラ=撮影04・3・15







(2段)蕾の様子。大事典には萼片は有毛とあるが、撮影している他の萼片にも
毛が見当たらない。蕾の様子は太いと感じる。    04・3・3撮影。

カラミザクラ=撮影04・3・3

(3段)開花すぐはピンク色帯びているが、満開になると、白い花序に見える。雄蕊の花糸は
花弁より長く、太く、桜の様な優美な感じではないと感じた。葯は黄色である。
花柱の太さが太い。柱頭は平らで広く2裂していた。  撮影 04・3・15

カラミザクラ=撮影04・3・15

(4段)約一週間後。花弁が散った後の状態。長い雄蕊の花糸と太い花柱が
目立つ。萼は反り返ってはいない。直立でもなく平開しているようである。
花弁が散る頃には、緑色の子房はかなり大きいようだ。撮影04・3・23

カラミザクラ=撮影04・3・23

(5段)約一週間後。7〜8ミリほどの果実。葉も展開している。葉の展開は
花弁が落下する頃から急に葉芽が膨らみだして、あっという間に展開する。
この画像ぐらいの時点では、雄蕊の花糸が絡みついて汚い感じがする。
花柄の開出した毛がよく目立つ。撮影 04・4・1

カラミザクラ=撮影04・4・1

(6段)約一週間後。果実も球形ではなく扁球形で歪であるのがわかる。
萼は宿存していない。果柄の開出した毛がよく確認できる。撮影04・4・8

カラミザクラ=撮影04・4・8

(7段)約1ヶ月後には真っ赤に熟した果実になっていた。T・5〜2センチほどの大きさ。
色々な野鳥が集ってきてあっという間に食べられてしまうそうである。
何時もネットが被せてある。撮影 04・5・6

カラミザクラ=撮影04・5・6

(8段)真っ赤に熟した果実。モモやスモモとは異なり、果皮には毛もなく、
粉も吹いていない。花柄の毛は此のころでもまだ付いていた。撮影04・5・6

カラミザクラ=撮影04・5・6





(9段)葉の様子。詳細な観察はしていないので開花期〜果実が生っている時期以外では
葉だけの状態になっていると私は特徴をつかんでいないため、観察は全くできないことになり。
今更のように後悔している。サクラの葉と見分けられない・・・・・。撮影04・4・8

カラミザクラ=撮影04・5・8
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