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シロバナタンポポは本州(東京より西部)、四国、九州に広く分布しているそうだ。葉は淡い緑色、倒披針形状線形、長さは15〜20センチ、 幅3〜7センチ、羽状中裂。花茎は開花時には葉と同長かそれより長い。頭花は4センチ、総苞は淡い緑色、開花時の長さは16〜19ミリ。 外片は内片の半分の長さかそれより長く上部は開出か直立する。最外片の多くは、卵状長楕円形か卵形、時に線状披針形。先は褐色帯 び鋭尖頭、先端から僅かに下がって黒い紅紫色になり、大きな小角があるがまれに無いこともある。頭花は大型で中心部がやや黄色帯び た白色。舌状花の裏面には灰色の広い帯がある。痩果は長楕円形、褐色、長さは4ミリ、冠毛は7〜10ミリ程。倍数体でよく結実するとあ る。痩果はカントウタンポポより大型とあるが、この近辺にはカントウタンポポは恐らく無いだろうから比較は難しい。タンポポ類の葉形は同 一種であっても株や生育環境等で変異が著しいそうである。 出典・参考文献 ●『日本の野生植物 V 草本 合弁花類 』 平凡社 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ☆花の詩・メモ☆ シロバナタンポポは在来種の多年草らしい。この近辺では外来種の西洋タンポポが殆どであるが、時々シロバナタンポポを見かける。山間 部に行くと其処かしこでシロバナタンポポが生えている。ここ広島県東部には、シロバナタンポポに良く似た、白っぽい頭花をつけるキビシロ タンポポ[T. hideoi ]も分布しているらしい。シロバナタンポポの見分け方は、裏返して総苞片を見ると一目瞭然と私は思うのだが、総苞外片 の角状突起が顕著で、総苞内片に圧着せず開き気味である。頭花の色は可也白っぽいが、花の中央は黄色帯びている。葯の黄色が目立 つので、離れて見ると淡い黄色にも見える。民家の近くから山間まで広く分布している。山間の道路沿いなどに白い頭花のタンポポが咲いて いると、キビシロタンポポかな??と期待して近寄ってみるがシロバナタンポポばかりである。キビシロタンポポと、見分けのつかない総苞片 を持っているものに出合うが、そうなると痩果の色に同定を託すようになる。シロバナタンポポも地べたにへばりついた小さいものから、花茎 が50センチもある物と生長の度合いに著しく差があるようである。葉は立ち気味のものが多い。総苞片の様子や痩果の色も微妙に違う。花 径は4センチ前後。私の観察はどこかに落ち度がある、葉の観察は殆どしていない、仮にしていたとしても葉では全く区別できないのが実情 の様な気がする。生育環境は全く別のものを其々掲載した。かなりの画像数になってしまった。 |
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(2段)頭花。舌状花は全体に白っぽい。葯筒から長く覗いている花柱の先は2裂している。 単為生殖をするため、受精した花柱の先はくるりんと巻く。冠毛も確認出来る。 (3段)横から柱頭を見てみた。2裂下先が巻いているのは単為生殖で 受精したもの。まだ半分以上は柱頭が立っている。 (4段)総苞外片は卵状楕円形で内片より短く、先端には角状突起があり、開き気味である。 角状突起と言うものの形が良く見える。総苞片の先に犀の角の様に尖った物がはっきりと 見える。正面から見ると、尖っているのが良く判るが、横から見ると形が掴めなかった。 (5段)花の終わった様子。舌状花が枯れて固まっているが、これがポロンと落ちる。総苞片が 窄んで種子を育てている。白い冠毛が少し覗いている。総苞外片は開き気味だが反り返らない。 (6段)絹毛を付けた種子が今にも飛びそうである。息を吹きかけると、ふわふわと飛んだ。 (7段)冠毛や痩果を拡大してみた。痩果の色がまだ青味が強いが、 突起がほぼ全体にあるのがわかる。拡大して見た。種子はベージュ色或いは 薄茶色と表現したらよいか、まだ熟しておらず白っぽく見えている。 キビシロタンポポは黒褐色或いはこげ茶色らしい。 (8段)葉は立ち上がるようにも見えるが、この個体はあまり羽状に裂けていない。 この草本は草丈30センチ程度あった。 (9段)葉を拡大してみた。裂片の先には歯牙があるのが見えている。
(1段)葉は羽状に深裂している部分もあった。 (2段)総苞外片はそれほど総苞内片に圧着していない。開き気味である。
(1段)狭い山道の両サイドに連なって生えていた。高さは50〜60センチもある。 総苞外片の角状突起がよく目立っていた。 (2段)黒っぽい角状突起は著しい突起になっているのが良く判る。 花弁の裏面は、殆どのタンポポは濃い灰色をしている。先端は5この鋸歯がある。 (3段)花後の様子。総苞内片が閉じて、中で種子が成熟するそうである。 総苞外片は開き気味であるが反り返らない。 (4段)痩果が熟すと一気に総苞内片が開いてて冠毛が飛び出す。 痩果が熟していると触れただけでパッと開くのにはびっくりした。 (5段)茶褐色の痩果には突起が沢山ある。総苞外片も著しく反り返ってはいないようだ。 (6段)痩果は他のタンポポ類より大きく、突起は大きく下から3分の1ぐらいあたりからある。 (7段)葉の様子。割と立ち上がっている様に思うが、葉の観察はしていない。
(1段)頭花は白い舌状花。内側の舌状花は黄色帯びている キビシロタンポポも良く似ているらしい。総苞片の様子に別品種ではないかと迷った。 葉は葉軸まで深裂しており、クシゲタンポポなどもあるらしくこのあたりでも迷った。 この花柱は単為生殖で受粉し、くるりんと巻いている。 (2段)総苞片は角状突起があり、総苞外片はこの時点ではあまり開いていない。 キビシロタンポポの総苞外片は、圧着して開花期にも開かないそうだが。 (3段)痩果。熟していない緑色のものから。淡い褐色、茶褐色のものまで並んでいる。 熟した痩果の色からシロバナタンポポとした。また痩果も一気に熟すのではないようだ。色の開きに納得。 (4段)最下部の総苞片が全く反り返っていないように見えるが、角状突起がある。 キビシロタンポポの痩果の色とは異なるので、キビシロタンポポでは無い。 痩果の突起の付き方や突起の大きさ等の様子から、シロバナタンポポと同定した。 |
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Last up date 06・11・28 | 広島県 |
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