ハナキリン
トウダイグサ科 トウダイグサ属
 園芸名 花キリン
学名 Euphorbia milii Desmoul. var. splendens Ursch et Leandri 
 異名 E. splendens Bojer ex Hook. 、 E. splendens var. typica Leandri 、Sterigmanthe splendens (Bojer ex Hook.) Klotzsch et Garcke、 
 英名 Christ plant、 Christ thorn、 Crown of thorns、

ミリー[ E. milii Desmoul. ]の原産地はマダガスカル。有刺の小低木状乾燥性植物。多くの形態的変異があるそうだ。葉も形態や大きさに
変異があり、長楕円形から円形、大きさも1センチ以下から15センチになるものもある。花序は顕著な苞をもち赤,桃黄色など美しい。

ハナキリンは従来は、[
E. splendens]の名で栽培されて来たとある。高さは1〜2メートル、茎は多数分枝して広がる。主茎および側枝とも
に径10〜15ミリ、多くの刺がある。棘の長さは15〜20ミリ、太さは基部で4〜5ミリ、基部はやや縦に扁平である。茎には縦に溝があり稜
にはならないが、いぼ状に突起しその突起に1本ずつ可なり鋭い棘がある。葉は茎の溝の部分から出るが茎頂に少数つき、倒卵状楕円形
でやや硬いが、葉質は比較的薄く、長さは4〜5センチ、幅1・5〜2センチ、明るい緑色、休眠期には葉は落ちる。花は葉同様に溝の部分に
つき、花茎は2つに分枯れた小柄をつけて其々2個の花をつける。花弁に見えるのは苞で実際の小さな花序は花弁がない。椀状花序は径
1センチ、赤色。花序ははじめ1個、次いで倍増していく。古くは多肉植物としてのみ栽倍されていたが、鉢花として栽培されている。

ミリーの一般に知られる主な品種についての記述があるので掲載しておく。
●基準変種 [
var. milli  異名 E. bojeri Hook. 、E. splendens var. bojeri (Hook.) Cost et Gallaud 、E. splendens ssp. bojeri (Hook.) M.
  Denis 、Sterigmanthe bojeri (Hook.) Klotzsch et Garcke ]=和名ホソハナキリン、 園芸名 小型花キリン。刺は針状で長さは10ミリ、葉
  は倒卵形、先が僅かに尖る。一般に栽培されていない。
●ブレオニー [var. breonii (Nois) Ursch et Leandri  異名 E. breonii  Noice. 、E. neumanii  hort. 、E. splendens  var. breonii  (Nois.)
  Leandri ]=和名ブレオ・フトハナキリン、園芸名 竜血鬼(りゅうけつき)。長く[
E. breonii]での名で栽培されてきた。茎頂部にロゼット状
  に葉をつけ、僅かに葉柄があり、円頭または微突頭の倒披針形、帯緑色。
●ヒスロピー [
var. hislopii (N. E. Br.)  Ursch et Leandri  異名 E. hislopii N. E. Br. 、E. splendens  var. hislopii  (N. E. Br.) Leandri]
  =和名フトハナキリン 園芸名 千里紅(せんりこう)。従来は[ 
E. hislopii ] の名で栽培されて来た。変種中最も太く大形。主茎の径
  3〜4センチ、はじめ緑褐色から灰褐色、茶褐色になる。縦に扁平な刺の列があり、8稜内外の稜状の溝がある。棘は10〜20ミリ。葉は
  茎の頂きにロゼット状につき、花茎は10センチ内外の紅赤色帯びる。椀状花序は大きく15ミリ内外。
●スプレンデンス 園芸名 花キリン


出典・参考文献
●『園芸植物大事典 5』 小学館
●『山渓カラー名鑑 園芸植物』 山と渓谷社
●『山渓カラー名鑑 観葉植物』 山と渓谷社
●『サボテン・多肉植物 ポケット事典』 NHK出版


  


☆花の詩・メモ☆

ユーホルビア・ミリーには変種のホソハナキリン、ブレオフトハナキリン、フトハナキリン等の和名のものがあるとは知らなかった。見た事があ
るのか否かさえ分からない。ハナキリンは和名ではなく園芸名という事も初めて知ったし、掲載されている様な大きな株は見たことがない。小
さな鉢植えの物や30センチ程度のものしか見たことがない。この属の花の特徴を私も何とか理解出来そうだ。杯状花序(図鑑でこの様に説
明されている。)を持っていると言う事。確かに、変わった花の形に共通点が有る事には納得。しかし、ハナキリンは何処が杯状の花序なのか
如何かを今一納得出来ていなかった。花弁の様な部分は苞。黄色い部分が花か腺体かわからなかったが、黄色の大輪ミリーの花の拡大で
納得。茎は棘棘、葉の先も尖っている。同時に花弁に見える苞の先端部分も尖っている。ハナキリンには白色、濃い桃色、等もあるようだ。
白花ハナキリンの花はクリーム色と図鑑にはあるので白色のハナキリンとは別種だった。シロバナハナキリンとかキバナハナキリンなどとして
掲載していたが訂正した。フトハナキリンではないかと思える個体に出合ったが、品種名の確証は得られていないのでこのサイトに間借り掲載
しておくことにした。



*画像転載禁止*



ハナキリン(スプレンデンス)

ハナキリン=撮影05・5・25







(2段)苞の間から次の花柄が伸びているのがわかる
ハナキリン=撮影05・5・25

(3段)以前に撮影した不鮮明な画像ではあるが、
花柄の伸び出している場所がよくわかる。

ハナキリン=撮影03・5・20

(4段)刺の様子。
ハナキリン=撮影05・5・25




(5段)白い花色の花キリン。白花ハナキリンは苞の色がクリーム色らしい。紛らわしいが・・・。
ハナキリン=撮影03・9・6

(6段)花に見えるのは苞。花は5個見える濃い黄色の部分。内側の黄色の部分は雄蕊。
ハナキリン=撮影03・9・6

(7段)苞の色が紅桃色の花キリン。
ハナキリン=撮影03・8・30




フトハナキリン(ヒスロピー)=園芸名 千里紅(せんりこう)
     学名 [Euphorbia milii Desmoul. var. hislopii (N. E. Br.)  Ursch et Leandri]  
     異名 [E. hislopii N. E. Br. 、E. splendens  var. hislopii  (N. E. Br.) Leandri]

従来は[ E. hislopii ] の名で栽培されて来た。変種中最も太く大形。

フトハナキリンで間違いないと思っているが図鑑に画像が無く確証が得られていなかった。NET検索でも確証が得ら
れないので、同定できるまでハナキリンのサイトに同居・・・。見た目の特徴は解説と一致すると思える。
特徴は●主茎ははじめは緑褐色、後に灰褐色から茶褐色。●縦に扁平な三角状の刺が列をなし、8稜内外
の稜を形成。●刺は10〜20ミリ、茶褐色後に灰褐色。●葉は茎頂にロゼット状につき、長さ12〜18センチ、
幅3〜5センチ、卵状披針形、淡い緑色または黄緑色。落葉前に黄赤色または紅赤色に帯びる。●葉腋から
長さ10センチ内外の紅赤色の花茎を伸ばす。●椀状花序は大きく幅15ミリ内外。
まさに画像と一致する!

フトハナキリン=撮影05・6・7






●葉腋から長さ10センチ内外の紅赤色の花茎を伸ばす。苞を含む花は3センチ前後と大きい。
フトハナキリン=撮影05・6・7

●椀状花序は大きく幅15ミリ内外。
黄色の部分が花。内側のクリーム色の部分は雄蕊の花糸と思える。

フトハナキリン=撮影05・6・7




●主茎ははじめは緑褐色、後に灰褐色から茶褐色。縦に扁平な三角状の刺が列をなし、
8稜内外の稜を形成。刺は10〜20ミリ、茶褐色後に灰褐色。

フトハナキリン=撮影05・6・7




●葉は茎頂にロゼット状につき、長さ12〜18センチ、幅3〜5センチ、
卵状披針形、淡い緑色または黄緑色。落葉前に黄赤色または紅赤色に帯びる。

フトハナキリン=撮影05・6・7
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