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『神奈川県植物誌 2001』では、この両者は変異の幅がとても大きいとして、毛や蕾等からも、明確な特徴を見出 せないとし、メマツヨイグサと別けていない。また、茎の毛の基部が赤く膨れているタイプと白っぽいタイプについて も触れられている。それによると、赤く膨れたタイプは、オオマツヨイグサとメマツヨイグサの交雑も考えられるとある。 『山渓ハンディ図鑑 野に咲く花』によると、花弁と花弁の隙間のあるものをアレチマツヨイグサ。隙間のないものを メマツヨイグサというとある。 出典・参考文献 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花』 山と渓谷社 アレチマツヨイグサは北アメリカ原産の越年草らしい。花弁と花弁の間に隙間が有るものを言うそうである。開花し ない限り、ママツヨイグサとの見分けや同定は難しい。高さは1メートル前後に成る物が多く、茎には斜上する目立 つ毛がある。茎の基部は木化している物が多く有る。茎の基部から沢山分枝してまるで小さな木のようだ。 葉は披針形〜長楕円形で先端は尖る。葉縁には鋸歯があり波打たない様に思う。葉の表にも短い毛がある。葉裏 面の特に脈上には、斜上した毛が密生し、見る角度によっては白く見える。主脈は赤味帯びるものも有る。花弁 の隙間の有無を除くと、全くメマツヨイグサと区別は困難である。メマツヨイグサほどは見掛けないそうだが、この近 辺で見かけるものは殆どアレチマツヨイグサで有る事に驚いている。メマツヨイグサになかなか出合えない。 03・9・11 花の特徴が、メマツヨイグサと微妙な感じのする花に出あった。どの程度の隙間が開くのか、少しでも隙間があれ ば本種になるのか迷う所である。撮影した時点では、メマツヨイグサの積もりだった。メマツヨイグサと思い、場所確 認のために2〜3枚写しただけだった。しかし、画像を良く見ると隙間を確認する事が出来る。何日か後に確認に出 かけてみたがすっかり清掃され、時既に遅し・・・・。 04・7・2 この近辺でも可也多く、空き地、水路の框、道端などに生えている。 町内の土手に、朝5時に起きて草本の観察に 出かけた。花径が5センチ程度あった。コマツヨイグサと同じ場所に咲いていたので、花の大きさを比較してみた。 因みにコマツヨイグサの花径は3センチ以下。茎は赤みを帯び上向きの毛が生えている。葉の主脈は、茎と同じ紅 紫色を帯びている。きょ歯があり先は自然に細くなっている。 我が家の近くの土手に、オオマツヨイグサ、コマツヨイグサ、と一緒にメマツヨイグサと思しき草本が生えている。6月 22日にも撮影しているが、画像からは花弁の間に隙間が有る様に見える。朝6時前だったが綺麗に咲いていた。 そのまま昨年撮影した同じ場所に出向いてみた。50センチほどに育っていた。生えている場所が信号のそばで邪 魔になる。目立ち過ぎ!蕾は出来ていたが未だ咲いていなかった。茎の基部は四方に分枝し、木化している。しか し、茎の毛の基部が赤く膨らんでいる。葉縁は波打っていない。葉腋から分枝している枝の基部が虫こぶだろうか? 豪く膨らんでいた。やはり、こちらも花を咲かせる前に清掃の憂き目にあってしまった。 04・7・20。 我が家の犬のお散歩に、いつもより一寸遠征した。未だ朝の5時前だったが、朝日も山陰から昇っていない。コマツ ヨイグサは、この時間には萎んでいる。1メートルぐらいの草丈で、花弁が開いて隙間がしっかり確認出来る花が数 花咲いている。嬉しくて心が躍る!犬のお散歩もそそくさにして、カメラを持って出直した。とは言え、よくよく考えて みればこの草本は、04・6・22に最初に撮影している。しかも7月2日にも同じ様に撮影している同一草本である。 その折には、花弁と花弁の間に隙間が有る様にも見えるし、無い様にも見える様な、微妙だった。メマツヨイグサだ ろうと思っていた。それが今回は、隙間がとても大きい。これらは全て同一草本である。メマツヨイグサとして同定す れば、何も問題は無いのだが、これだけ隙間が開いていれば、アレチマツヨイグサとしたくなる。 茎には上向きの剛毛があり、基部が赤く膨れている。オオマツヨイグサの特徴に似ているが、葉の様子は、縁は波 打っていない。萎んだ花殻は黄色のままである。葉の主脈は赤味帯びていた。しかし、今回の観察でメマツヨイグサ との区別は、花の開いた状態を見たとしても、余りに変異が大きく見分けは難しい。茎の毛の基部も、赤く膨れてい るものもある。花径は2日に撮影した際に、コマツヨイグサと比較してみたが、5センチ程あったが、今回隙間の開い ている花は少し小さくは感じた。 04・7・22 土手に咲いている固体を、、略一ヶ月間花の様子を観察して判らなくなった。当初はメマツヨイグサとして同定して いたが、一ヵ月後には花弁同士の隙間が大きい花に変わっているのだ。如何見てもアレチマツヨイグサの特徴にな っていた。花弁の隙間の有無での同定も、何処まで信憑性が有るのか、判らなくなってきた。ひっくるめてメマツヨイ グサとすれば問題は無い事も確かではある。 05・7・14 1メートル程の大きさの草本が、畑のフェンスに沿って端から端まで生育していた。朝の9時を過ぎ、陽射しも可也き ついせいも有るのだろうが、花は萎みかけているものが多かった。メマツヨイグサのつもりで撮影して来たが、やは り花弁の基部には僅かに隙間が有る。茎を見ると、緑色のものから赤味を僅かに帯びるものもある。茎の毛の基部 は、白いものは余り膨れている様には見えない。別の茎は、僅かに淡いピンク色帯び、基部は膨れている。毛は開 出しているのは何れも同じである。主脈は赤味帯びるものも帯びないものも有る。葉の両面に毛が有る。葉縁には 鋸歯が多く有るが、波打っているものは無い。 07・3・7 メマツヨイグサのサイトにも記載しているが、結局花の様子はこれだけ変異があるが、同一草本の撮影には間違い ない。別々に掲載するのは不自然で、こちらのサイトに移動し、大幅に訂正する事にした。 『神奈川県植物誌 2001』では、この両者は変異の幅がとても大きいとして、毛や蕾等からも、明確な特徴を見出 せないとし、別けていない。また、茎の毛の基部が赤く膨れているタイプと白っぽいタイプについても触れられている。 それによると、赤く膨れたタイプは、オオマツヨイグサとメマツヨイグサの交雑も考えられるとしている。これらの点か ら見ても、同定は至難の業?に近いのは確かな様である・・・。『広島県植物誌』『日本の野生植物 平凡社』には、 アレチマツヨイグサについての記載は無い。 |
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![]() (2段左)茎の毛は斜め上向き。 基部は膨れている物も有るようだが、白っぽい。 (2段右)毛の基部が僅かに赤味を帯びて、膨らみが確認できる。 ![]() (3段)葉は長楕円形〜披針形。主脈は赤味帯びるものも有る 葉縁には鋸歯があり、葉の先端は尖る。 ![]() (4段)葉裏の脈上には毛が密生し、 見る角度ではこの画像の様に白く見える。 ![]() (5段左)葉表にも毛が有る。 (5段右)葉裏の脈上には斜上する毛が密生する。 ![]() (6段)フェンス縁に並んで生えている。 60〜1メートル程の草本。 ![]()
![]() (2段)赤味帯びた茎には、 斜上する長い毛の基部が赤く膨れている。 ![]() (3段左)木化している株元。まるで低木の様である。 このまま冬になっても枯れずに、刮ハともども残っている物がある。 (3段右)地際で四方に分枝し、大きく枝を伸ばしているものも有る。 ![]() (4段)葉縁の基部から分枝した枝の基部は 虫こぶだろうか?大きく膨れている。 分枝した枝にも基部が赤く膨れた毛が有る様だ。 ![]()
![]() (2段)花弁基部は極々僅か、隙間が空いているが メマツヨイグサと思い込んでいた。(間違いではないが・・・・) ![]() (3段)葉縁は波打たないのが特徴。葉先は尖り、葉縁の鋸歯は目立つ。 葉の大きさは区々である。 ![]() (4段)赤味帯びた茎には、斜上する長い毛があり 基部は赤く膨れているタイプ。 ![]() (5段)花は萎み始めている。 少しオレンジ帯びてはいるが、赤くはならない。 ![]() (6段)略一ヵ月後に同一草本を見ると、全く違う頭花が咲いている。 こうしてみると、僅かでも隙間の空いている頭花は、 咲き進むうちには、この様に大きな隙間に成るものも出て来る様である。 ![]() (7段)向こうが完全に見える程花弁同士の隙間が空いている。 ![]() (8段左)刮ハは2〜3センチ程度で太い。 果序も長くなり30センチ以上有る。 (8段右)刮ハの周りには斜上する毛が生えている。 先は4裂するが、大きく裂けない。 ![]()
(1段)左側の小さい苞はコマツヨイグサで花径3センチ。 右の大きい方は本種で5センチ程あった。 ![]() (2段)左に見える少し湾曲して大きい方はコマツヨイグサの刮ハで、この場合 4〜5センチ有る。右側に並んでいる短い方は本種で2〜3センチ。 ![]() |
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