ハナセンナ
マメ科 カワラケツメイ属
 流通名 アンデスノオトメ
学名 Cassia corymbosa Lam.

カッシア属の和名はカワラケツメイ属。『園芸植物大事典 1 小学館』によると、属名はシナニッケイ[Cinnamomum cassia ]から転用し
たとある。語源はヘブライ名 gasta=皮をむくの意味、英名のsenna はベンガル語に由来とある。

カッシア属の葉は偶数羽状複葉で対生か螺旋状につき托葉がある。葉柄か葉軸に腺があるものと無いものがある。花は腋生か頂生に総
状花序か円錐花序に花をつける。花弁は5個で黄色のものが多い。雄蕊は10個かそれ以下で、そのうち3〜4個は不稔性。苞や小苞があ
り、萼は5深裂、葯は開口か短く縦に裂けている。果実は豆果で円柱形か扁平で、種子の間には偽隔壁がある。

ハナセンナはブラジル中部からアルゼンチン北部の原産で落葉性低木で耐寒性がある。高さは2〜3メートルになる。葉は互生。小葉は披
針形〜長楕円状卵形で先端は鋭尖頭。小葉は2〜3対、長さは2・5〜3・5センチ。葉柄は1.5〜2.5センチ。葉軸の長さは1・5〜3セン
チ、葉軸の腺は2(3)個ある。花序は頂生か腋生し鮮黄色の花をつける。花弁は1・5センチ程の倒卵形。雄蕊は7個、仮雄蕊が3個。豆果
は円柱形で長さ8〜13センチ。

良く似た他の種の見分け方
●コバノセンナ[C. coluteoides Collad.]=葉軸には腺が1個。雄蕊は7個。小葉は(3)4〜5対、先端は円形、葉縁は橙色。
●モクセンナ[C. surattensis Burm.]=葉軸に腺が3(4)個。雄蕊は10個。小葉は4〜7(9)対、先端は円形。
●ハネセンナ[C. alata L.]=葉軸に腺が無い。花序は50〜70センチ。雄蕊7個、小葉8〜24対、先端は円形、葉縁が茶褐色。
●センナ(ホソバセンナ)[C. angustifolia Vahl]=小葉は5〜7対。線形〜披針形。先端は鋭尖頭。裏面に毛がある。
●コヤシセンナ[C. didymobotrya Fresen.]=葉軸に腺は無いが痕跡がある。雄蕊は7個、小葉は7〜16対、先端は円形。


出典・参考文献
●『園芸植物大事典 1』 小学館




☆花の詩メモ☆


ハナセンナ(流通名アンデスノオトメ)は、NET情報でも落葉低木と常緑低木と分かれている。私が観察した公園の木本は常緑状態である。一
体どちらが正しいのだろう? 町内の公園のものは、夏場の葉の量から比べると、冬場には葉は結構落葉するが、それでも葉は可也残ってい
る。常緑樹の様相を呈している。葉は5センチ前後で基部は丸く先端は細い、偶数羽状。葉柄が長く、互生している。アンデスノオトメは≪アン
デスの乙女≫何と素敵なネーミングでしょう。何方がそう呼んだのでしょうかねぇ。花に関して言うと、エビスグサの花に良く似ている。草本のエ
ビスグサの花は下向きに咲き、この木本の花は全て上向きに咲いている。果実は実入りの良い莢が垂れて生っている。花の大きさから見ると
可也大きな莢である。花の量に対して豆果は少ない。コバノセンナやモクセンナとは、同属だが別種。これらの木本は葉が丸い偶数羽状。但し、
この両者共、私は未だ見た事が無いので、図鑑での画像のみで実際の違いは判らない。夏の暑い盛り黄色の花を沢山咲かせて楽しませて呉
れる。この木本の特徴は、変わった形の蕊。花は上向き。葉は細く先は尖ると言う事で、他
のカッシアと区別出来るらしい。

良く似たセンナについての苦い経験(?)がある。薬局で《センナ》と言う乾燥した葉の下剤を売っている。ホソバセンナともいわれると言っても
乾燥したものしか知らないが、長男が小学6年生の時の話、友人の勧めで毎日お湯飲みに2〜3枚を入れて飲んでいた。初めて試飲した時は
実に参った。友人から軽く一つまみと聞いて、欲張り過ぎたのか指先に一寸摘んだ量が多かったのか、2〜3日下痢が止まらなかった。聞きし
に優る凄い効き目! (((笑い)))

07・2・8
久しぶりに公園に出かけてみた、アンデスノオトメの葉は全てが落葉していなかった。剪定して小さく切り詰められていた。春にはまた大きく枝が
茂るだろう。05年にも確認したが、その時も葉は残っていた。但し夏場ほど茂ってはいない。常緑樹なのか落葉樹なのかどちらなのだろう?
此のあたりは温暖で、落葉しないまま越冬するのかもしれない。


*画像転載禁止*



ハナセンナ=03・8・25






(2段)3センチ程度の花は、全て上向きに咲く。 
バナナの果実のような長い葯のついた雄蘂は7本。
花糸の長い仮雄蘂が3本、短い雄蘂が4本。
退化した雄蘂が3本見える。緑の刀の様な雌蘂は1本。

ハナセンナ=03・8・25

(3段)豆果はささげの様な10センチほどに成る丸長形。
豆果には横に縞模様がある。
ハナセンナ=03・8・10・16





(4段)葉先は自然に細く基部が大きく、丸葉ではない。
小葉は5センチ前後の偶数羽状。長い柄が有り互生する。
小葉の縁は全縁で、白い縁取りが有る。
葉脈は表裏ともに浮き出ていない。

ハナセンナ=07・2・8

(5段)対生する小葉の基部に飛び出たものが見えるのが腺。
右上に見える髭のような部分は托葉。

ハナセンナ=07・2・8





(6段)07・2・8・撮影。
この時期でも葉は確実についている。
とても落葉樹とは考えられない状態である・・・。

ハナセンナ=07・2・8
種別(は)  科別(ま) FLORA  HOME
Last update 08・10・18 広島県



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