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湿地に普通に生える多年草。茎は立ち多く分枝し高さは20〜80センチ、斜上する毛疎らに生えるかやや無毛。根出葉は長い葉柄が有り 4〜10センチ、3出複葉。小葉はやや長柄があり卵形〜3深裂、裂片には不揃いな鋸歯がある。両面には寝た毛がある。茎葉には短柄が あり3出複葉。上部のものは単に3深裂。小葉や鋸歯の先はケキツネノボタン[R. cantoniensis DC.] に比べて尖らない。花径1.5セン チ、花弁は普通5枚で黄色でクチクラを含み光沢が強い、内面基部に鱗片状の蜜腺がある点は、ウマノアシガタ [R. japonicus Thunb.] と変わらないが花弁の幅が狭い。萼片は花時には反り返り、楕円形で背部に毛がある。花床には短毛があり花柱の先は酷く曲がる。開花 期は4〜7月。和名は葉の形が牡丹の葉に似ている事による。『日本の野生植物 草本U 平凡社』によると、従来[R. silerifolius ]は、 ケキツネノボタンとされていたが、田村道夫によってキツネノボタンである事が確かめられたそうだ。学名変更にともない、ヤマキツネノボタ ンやハイキツネノボタンの学名変更が必要になるが、明瞭な群とは思えないとある。『神奈川県植物誌 2001』によると、痩果の縁に稜が 無い点が特徴でケキツネノボタンとの区別点とある。稀に八重咲きのものがあり、ヤエザキキツネノボタン [R. guerpaertensis Nakai f. pleniflorus Ohtani & Shig. Suzuki in Sci. Rep. Yokos. City Mus.] というとある。 ヤマキツネノボタン[R. silerifolius H. Lev. var. quelpaertensis (H. Lev.) Sig. Tanaka]は散生する毛、斜上する毛程度の毛では、 キツネノボタンと分ける必要は無いとしている。学名の出典。『野に咲く花 山渓』には、茎は普通無毛とある。 出典・参考文献 ●『検索入門 野草図鑑 6 おきなぐさの巻』 長田武正著 保育社 ●『原色日本植物図鑑 草本編(U) 離弁花類』 北村四郎、村田源著 保育社 ●『日本の野生植物U 草本 離弁花類』 平凡社 ●『神奈川県植物誌 2001』 神奈川県立生命の星・地球博物館 ●『山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花』 山と渓谷社 ☆花の詩・メモ☆ 実家の近くの小さな小川の縁に咲いていた黄色の小さな花を毒の花と言っていて、小さい頃から熟知していた筈であったのに。全く違いを 知らなかった。身近な雑草などの撮影をするようになるまでは、タガラシも、キツネノボタンもケキツネノボタン、ウマノアシガタなどを見てい たとしても、全て同じ毒の花と思っていた。キツネノボタンという名前を知っていたか否か記憶にない。花弁は、どれも艶々と光った綺麗な 黄色。この花弁は、でんぷん粒を含み表面にロウ質のクチクラがあるからと言う事らしい。兎に角、花の見た目は良く似ている。花の直径 は2センチ程度と記憶していたが、1センチ程しかない。こんなに小さかったかな?と思ったほどだ。2センチの花を付けるのはウマノアシ ガタだった。追って掲載していく。 キツネノボタンの中心にある雌蕊の花柱部分は、花が開いた時既に曲がっている。だんだん金平糖のような形になり、痩果の先が完全 に鈎状に曲がっている。葉の形はあの艶やかな牡丹に良く似ているとされているが、キツネノボタン、ケキツネノボタン、ウマノアシガタ等は、 葉だけ見て見分けるのは、私にはなかなか困難な気がする。タガラシの様には行かない。草丈は小さいものもあるが、60〜70センチ程の ものをよく見かける。然も茎下部には白く見えるほどの毛の有るものをこの近くの田んぼの縁で見ていた。或る日、隣町をぶらりと散策しな がら歩いていて水辺の岸に生えている草体の無毛の茎を見て、初めてこれがキツネノボタンだ!とちょっと感動した。 |
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(2段)小さな溜池の縁に生えていた。恐る恐る縁に降りてみた。 確かに、葉は全体に牡丹の葉を思わせる。良く似ている。 (3段)頭花は1センチ程度。柱頭は既に鈎状に曲がっている。 腕が悪く、白とびした画像は見難いが、拡大してみた・・・・。 (4段)1センチほどの集合果は球形。花柱の先が巻いている。扁平の痩果には稜が無い のが特徴らしい。ヤマキツネノボタンの痩果の形は、キツネノボタンとなんら変わらないそうだ (4段)地際の茎基部の様子。この個体群は、毛が無くつるつるして見えた。 今まで、毛のあるものばかりだったので、この個体に出合えた時はヤッタ!と嬉しかった。。 (5段)中間より上部についている葉。3出複葉で切れ込みは浅く鋸歯はそれほど尖らない と言うことらしいが。なかなか葉を見ただけでは、残念ながら私には見分けられない。 (6段)中間あたりの葉。鋸歯は尖っているが、全体に幅広で見た目には 確かに牡丹の葉に似て見える。 (7段)下部の葉。全体に丸みのある葉に見える。
(1段)白い綿毛とも粉とも違うものは何かは不明であるが、菅などにも時々 見掛ける事がある。小さな昆虫の仕業と思える。 痩果はぽろっぽろっと落ちるようだ。05・10・9撮影
(1段)なかなかクチクラの光沢はハレーションを起こして上手く撮影できない。 柱頭の先が曲がっているのが、画面からも僅かに確認できる。 (2段)茎など殆ど毛がないが、僅かに数えるほど生えている程度。 (3段)葉は丸みがある。葉軸にも毛は見当たらない。葉は3出複葉。 切れ込みは浅く鋸歯はそれほど尖らないそうである。 |
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Last update 09・4・18 | 広島県 |
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